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なぜそこにいる!? 気になるメジャーの守備シフト

5/29(月) 21:15配信

ベースボールキング

白球つれづれ2017 ~第13回・守備における日米格差~

 近年、米大リーグのテレビ中継を見ていると極端な守備シフトが目に付く。

 例えば、田中将大が登板するヤンキース戦。センター前へ火の出るような当たりに田中の顔がゆがむ。ところが次の瞬間、二塁ベース後方に位置した二塁手が打球をキャッチする。

 また、強打の左打者が完全に一、二塁間を破ったと思ったらライトの前方にいる野手が軽々と処理。ここに二塁手がいる場合は三塁手が通常の二塁定位置にシフトしている。右打者の場合は遊撃手が三遊間深くに移動し、二塁手が二塁ベース後方、つまり内野をセンターラインから二分した片側に3人の野手が構えているわけだ。

 ひるがえって日本球界はどうか?ここまで大胆な守備シフトを敷くチームはない。かつて、巨人の王貞治や松井秀喜にメジャー並みの変則シフトが採用されたことはある。最近では早実の怪物君・清宮幸太郎に対して外野手が全員センターから右翼方向に守ったチームもあるがこれも特例の部類。なぜ、日本球界に米国流が導入されないのだろう?

歴史を紐解くと…

 この変則守備シフトの変遷をたどっていくと歴史は1870年代まで遡る。

昨年出版された『ビッグデータ・ベースボール』(著者はトラヴィス・ソーチック=ピッツバーグトリビューン・レビュー記者、翻訳・桑田健、以下同参照)によれば、ハートフォード軍対ルイビル・グレイズ軍の対戦でハ軍の監督であるファーガソンが内外野を片側に大移動させたとある。

 メジャーではっきりと認知されたのは1946年の「テッド・ウィリアムズ・シフト」だ。ベーブルースらと並び称されたレッドソックスの強打者に対したインディアンスはショートを二塁の定位置に配し、二塁手は浅いライト前、三塁手が二塁ベースよりやや一塁寄りに位置した。

 この光景を見て驚いた球審が「なかなか面白いな」とウィリアムズにささやいたところ本人は涼しい顔で言い放ったと言う。「そうでもない。高い打球まで守れやしない」。かつて、王貞治も「王シフト」を聞かれた時に「スタンドまで届けば誰も取れないんだから」と語ったことがある。大打者の発想は違う。

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