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「選手が一歩踏み出してくれた」。精神面成長し、力強く白星重ねた中京大中京が5年連続となる夏の全国へ

5/29(月) 1:19配信

ゲキサカ

[5.28 全国高校総体愛知県予選決勝リーグ第2節 中京大中京高 3-1 東邦高 柳川瀬公園サッカー場]

 平成29年度全国高校総体「はばたけ世界へ 南東北総体2017」サッカー競技(宮城)愛知県予選決勝リーグ第2節が28日に行われ、中京大中京高が東邦高に3-1で勝利。2連勝とした中京大中京は最終節を残して2位以内が確定し、5年連続20回目となる全国総体出場を決めた。

 中京の力強さが目を惹いた一戦だった。序盤は「7番の対応はバタバタしてしまった」と岡山哲也監督が口にしたように、キックオフと同時に積極的な仕掛けを見せた東邦MF中川祐希(3年)のドリブルとセットプレーに翻弄される場面が続いたが、CB大角凱斗(3年)を中心に守備陣が粘り強く対処。奪ってからは、落ち着いて後方でのボール回しで相手を食いつかせてからロングボールを前線に配球し、こぼれ球を2列目が拾って、2次攻撃を狙ったが、東邦FW檀上光貴(3年)らによる前からのプレスに動じ、慌てて蹴ってしまうケースが続いた。

 決して良い流れとは言えないまま、時間が経過した中京に突然、好機が訪れたのは前半25分。自陣でボールを奪ったDF坂本航大(3年)が素早く前線にロングボールを入れると、MF田邉隆平(3年)が相手DFの裏で反応。田邉はドリブルでDFをはがしてゴール前に持ち込むと、冷静に左足シュートを流し込んだ。

 このゴールで流れを引き寄せた中京は後半に入り、攻撃の質が改善。FW鎌田蓮(3年)のポストプレーを2列目の選手が高い位置で拾うと、サイドバックの攻撃参加も交えた厚みのある攻撃が増え始めた。

 そして、後半3分に自陣でのボール奪取から素早く田邉、MF井村早良(3年)と繋いで、ゴール前にパスを配球。最後は「前半は相手の勢いに押されて、ボールをおさめることができなかったので、後半は絶対に点を獲ってやろうと思っていた」という鎌田が決めて、リードは2点差に。11分には左サイドを崩され、東邦MF杉山裕輝(2年)に1点を返されてしまったが、試合終了間際の38分には再び鎌田がゴール。3-1で試合を終えた。

「愛知県を圧倒することが目標」(大角)という今年の中京は、2月の新人戦で早々にひとつめのタイトルを獲得したが、「3年生の自覚が足りない」(岡山監督)という課題の見られる代でもある。

 精神面の甘さは結果にも表れ、プリンスリーグ東海では開幕から白星に見放されてきた。彼らの転機となったのは0-5で大敗した第4節の静岡学園高戦。この試合を機に、上級生の自覚を促すために練習や試合の準備と片付けを3年生が行うようになった。

 この取り組みが意識変化のきっかけとなり、県総体では3年生自らがチームを引っ張ろうという意識が芽生え始めた。この日も1点返された直後に選手が集まり、ピッチ上で話し合いを行って悪い流れを払拭。試合終盤には選手自らが逃げ切りの策を考え、実行する姿も見られた。

「自分たちで試合をコントロールしたり、自主性が見られたことが今大会の収穫」。そう評した岡山監督が「一歩進めば、大きく成長できるのに、今の子は一歩出すことを躊躇してしまう。でも、今大会を通して、選手が一歩踏み出してくれたかなと思う」と続けたように、精神面での成長は全国切符を手にしたことと同等の価値があるはずだ。

 また、主将のFW本山遊大(3年)が大会期間中に中足骨を負傷し、戦列を離れたこともチームの転機となった。戦力的なダメージは大きいが、「本山クンのために頑張らなきゃという気持ちと共に、本山クンが怪我したから負けたとは言われたくなかった」(GK吉田ディアンジェロ、2年)と残された選手が奮闘。満足の行かない試合が続く中でも力強く勝ち星を拾う原動力となった。

 この日、全国総体進出を決めたものの、まだ最終節の名経大高蔵高戦が残っている。きっちり勝利をおさめ、今年ふたつめのタイトルを掴むことで成長をより確かなものにするつもりだ。

(取材・文 森田将義)

最終更新:5/29(月) 1:19
ゲキサカ