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日銀は10年債0.1%超え容認を、インフレ点火は近い-伊藤隆敏教授

5/29(月) 8:00配信

Bloomberg

米コロンビア大学大学院の伊藤隆敏教授は、景気回復を背景に内外金利への上昇圧力が高まった場合、日本銀行は国債買い入れの増額で金利上昇を止める必要はなく、10年利回りが0.1%を超えていくのを容認すべきだと言う。

日銀の黒田東彦総裁が財務官だった時代に副財務官を務めた経歴を持つ伊藤教授は26日、都内でのインタビューで「景気・物価情勢がついてくれば、長期金利が0.15%程度に上がっても日銀はそのまま許容ではないか」と言い、足元で年60兆円前後に減速している国債買い入れオペを「そこで年80兆円に戻す選択肢はないだろう」と述べた。

伊藤教授は「長期金利の連動性から、米国で上がれば日本でも上昇圧力がかかる」と指摘。日銀は「0.1%を超えても『ゼロ%程度』と言い張れないわけではない。声明文は変えず、事実上の許容範囲を拡大すれば良い。0.25%程度までは政策変更せずに許容できる。ゼロ%程度に抑えるために、国債買い入れが年80兆円も要らないのは日銀の計算通りだろう。60兆円、50兆円になってもおかしくない」と語った。

市場関係者の間では、日銀が昨年9月に導入した長短金利操作に関連して、長期金利の許容上限は約0.1%との見方が多い。長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは足元で0.1%未満のプラス圏にとどまるが、同金利コントロール下でも上昇圧力に時折晒(さら)されている。昨年12月には世界的な株高・金利上昇・円安を受けて一時0.1%に上昇、今年2月初めにはオペ運営をめぐる混乱から0.15%を付けた。

伊藤教授は、自民党政権下の2009年に日銀の副総裁候補に指名されたが、野党の反対で実現しなかった経緯がある。第2次安倍晋三内閣では公的資金の運用・組織改革に関する有識者会議の座長として、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)などが国内債券偏重からリスク性資産中心の運用に舵を切る提言をまとめた。

黒田総裁はインフレ率の安定的な2%達成を総裁就任直後の13年4月から目指すとしているが、任期満了まで約10カ月となった今でも、目標に近づいていない。日銀による生鮮食品を除く指数の今年度見込は1.4%上昇と、市場予想の0.6%上昇からかけ離れている。4月は前年比0.3%、エネルギーも除いた指数は横ばいにとどまった。

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最終更新:5/29(月) 13:01
Bloomberg