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フォードの社長交代、自動運転車の時代を見据えたか

6/1(木) 11:30配信

THE PAGE

 マツダの社長も務めたことのある、米フォード・モーターのマーク・フィールズCEO(最高経営責任者)が突然退任となりました。業績不振による事実上の解任ですが、背景には自動運転車への急激なシフトがあるともいわれています。フォードが直面している現状は、いずれ日本メーカーにも波及する可能性が高いでしょう。

 フォード・モーターは22日、フィールズ氏がCEOを退任し、あらたにジム・ハケット氏が就任する人事を発表しました。フィールズ氏は、1999年から2002年にかけて、当時フォードの傘下にあったマツダの再建をてがけ、2014年からフォード本体のCEOを務めてきました。フィールズ氏の在籍期間中、売上高は増加したものの、利益成長は今ひとつで、2016年12月期の決算では最終利益が前年比37%減の45億9600万ドル(約5100億円)にとどまりました。

 20%の減益となったトヨタ自動車の純利益は1兆8000億円、GM(ゼネラル・モーターズ)は94億2700万ドル(約1兆500億円)、日産も6600億円の純利益ですので、名門フォードの業績としてはやはり見劣りがします。株価はこのところ下がる一方となっており、投資家や取締役会が業を煮やした形です。

 表面的には業績の伸び悩みによる退任ですが、背景にはもう少し長期的な狙いがあるようです。フォードは今でも創業家であるフォード家が経営に大きな影響力を持っていますが、新しくCEOに就任するハケット氏は、自動運転の時代を見据え、フォード家が強く推薦したともいわれています。

 ハケット氏はオフィス家具メーカーであるスチールケースのCEO出身という地味な経歴ですが、フォードに移ってからは自動運転車やカーシェアなどを担当する子会社のトップとして頭角を現してきました。家具メーカー出身者がシリコンバレー型の技術を統括するというのは少し不思議な感じがしますが、実はそうではありません。スチールケースは、ハケット氏の在任期間中、シリコンバレーにある最新型のオフィス家具を手がけ、大きく成長しました。

 同氏は異なる人種やカルチャーを持つ人が融合して働くシリコンバレー・スタイルに精通し、しかも各社のオフィス構築を通じて、IT業界に膨大な人脈を持っています。この豊富な人脈が自動運転車の開発に生かされ、最終的にはCEO就任の決め手となりました。

 今回の人事が決断された背景には、自動車メーカーはもはやIT企業にならなければ生き残ることができないという危機感があります。この動きはいずれ日本メーカーにも波及してくるでしょう。日本の自動車業界においても、ハケット氏のような人材が求められることになりそうです。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:6/6(火) 5:59
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