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空き地や林に税金6400億円! 土地開発公社の「わかりにくい失敗」やさしく解説 全然ひとごとじゃない

6/2(金) 7:00配信

withnews

 日々を暮らすのが精いっぱいだったり、学費が払えず進学をあきらめたり……。そんな人たちからも集める血税。それがまともに使われていない「空き地」や林のローン返済に、6千億円超使われることが、朝日新聞の調査でわかりました。なんでそんなことが? 原因は、ぱっと見、わかりにくい土地取引の制度です。正直、小難しい用語や、難解な仕組みが盛りだくさんです。でも、皆さんへのダメージは甚大。調べた結果を、できるだけ、わかりやすく報告します。(朝日新聞東京本社社会部記者・赤井陽介)

【画像】日本各地の「ありえない光景」こ、こんな土地に巨額の税金が…他人事じゃない「塩漬け」爆弾

自治体の「別動隊」

 舞台となったのは「土地開発公社」。自治体が原則100%出資で立ち上げる「別動隊」ともいえる組織です。

 公共事業などに使う用地を自治体に代わって買い集めるのが仕事で、お金の出どころは借金です。

 「土地開発公社」は、金融機関から借金をして土地を買います。

 その土地を、自治体が後で「土地開発公社」から買い取ります。

 買い取った土地を、自治体は公共事業などに使います。

 「土地開発公社」は自治体から受け取ったお金で、買った土地の借金を返済します。

借金の保証は自治体

 うまくいけば問題ありません。でも、自治体が事業する必要が予想より減ったら?お財布が厳しくなって買い取るお金が捻出できなくなったら?

 自治体は土地を買いとることができず、「土地開発公社」は土地代金をもらえないので、借金を返せません。

 「土地開発公社」の借金には利子がつきます。土地が売れない間、余計に支払う利子が膨らみ続けます。

 ここでミソなのは借金の保証は自治体がしているということです。「土地開発公社」の借金返済が進まない場合、最後は自治体が借金の肩代わりをしなければなりません。

 結局どちらにしろ税金が使われるのですが、ほうっておくと、普通に買うよりも利子の分だけ余計に払うというはめになるわけです。

かかった費用分の価値がある?

 普通の企業だとこんな状態を放置すればつぶれます。でも、「土地開発公社」はつぶれません。借金をすればするほど、土地の値段が、なぜか値上がりするのです。

 使いあぐねる土地がなぜ? そのからくりは「簿価」と呼ばれる仕組みにあります。

 「土地開発公社」が公共事業用に買った土地は「かかった費用分の価値がある」と見なせるのです。

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最終更新:6/2(金) 7:00
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