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沖縄の苦難、演劇で訴え 常陸太田の市民劇団

5/30(火) 7:00配信

茨城新聞クロスアイ

常陸太田市を拠点に活動する市民劇団「劇工房橋の会」(木村夫伎子代表)は6月2~4日、同市中城町の市生涯学習センターで「ちぎられた縄」を上演する。節目となる第20回公演のテーマは、15日に1972年の本土復帰から45年を迎えた沖縄。米軍基地の整理・縮小は遅れ、米軍が絡む事件・事故はいまなお後を絶たない。戦後、米軍施政下にあった沖縄の人々を通し、沖縄の苦難にどう向き合うかを問い掛ける。

原作は芥川賞作家、火野葦平の戯曲。木村代表が演出した。舞台は52年の日本の主権回復時に本土と切り離され、米軍統治が続く沖縄。冷戦を背景に、戦略上の要衝として基地建設を進める米軍の「銃剣とブルドーザー」によって家や土地を奪われ、米兵の暴力にさらされる人々の苦悩を描く。

木村代表は昨春、沖縄県うるま市の会社員女性が殺害され、米軍属の男が逮捕された事件をきっかけに、基地問題の関連書籍を約40冊読み込んだという。沖縄の過酷な歴史や現状とともに、沖縄を顧みない本土への不満に接し「観光地ではなく、米軍基地としての沖縄を一人でも多くの人に知ってもらうことが必要」と訴える。

出演者は主婦や商店主、市職員など15人。東京芸術座で俳優として活躍した木村代表の指導の下、1月から週2回の稽古に励んでいる。夫が戦死し、戦後間もなく米軍車両による事故で子を失ったヒロインを演じる中島麻智子さん(65)は「こんなに沖縄に負担を掛けていたのかと今回初めて実感した。沖縄の方たちが抱えていた悲しみが伝われば」と意気込む。

橋の会は、地元の主婦らをメンバーとして97年に発足。冤罪(えんざい)事件や水俣病などをテーマに、東日本大震災の影響で休演した2011年を除いて毎年公演を行ってきた。

公演は2日の午後6時、3日の午後1時と同6時、4日の午後1時の計4回。前売り券は大人千円、学生700円。当日券は各200円増し。問い合わせは木村代表(電)0294(72)0298。

(長洲光司)

茨城新聞社