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「責任者をつるしあげろ」では解決しない 空き地や林に6400億円の「闇」 地味な取材を続ける理由

6/3(土) 7:00配信

withnews

 「土地開発公社」の土地取引を巡って、6000億円以上の税金が塩漬け土地に投入されることを報じました。今までバレなかったのは、ややこしい制度に隠れて、損失が見えにくかったからです。でも、それだけのお金があったら、皆さんの役に立つ色んなことができたはずです。専門用語と格闘しながら、地味すぎる調査を続けたきっかけの一つが東日本大震災でした。(朝日新聞東京本社社会部記者・赤井陽介)

【画像】日本各地の「ありえない光景」こ、こんな土地に巨額の税金が…他人事じゃない「塩漬け」爆弾

東日本大震災の「復興予算」

 私は10年前にとあるきっかけで、税金が消えていく構造に疑問を持つようになってから、取材を続けています。

 しかし思うように取材は進みません。自治体という公権力側からすれば、煙たい取材ですし、ちょっとでも取材に弱点があれば下手したら訴えられかねません。

 なんとか資料を入手したら、今度はその数字とにらめっこ。リスクが大きく、地味で苦痛な作業が続きます。

 マニアックな作業なので、周囲から「何してんの?」と見られることも多く、挫折の繰り返しでした。

南国の島のバス停の英語表記が復興?

 半ば諦めかかったところで、東日本大震災の復興予算流用の取材をすることとなりました。その一つ、路線バスに英語表記のシールをはると「復興」するという現場を歩きました。

 石垣島で1日数本が止まるバス停。英語表記のシールが風雨で消えているケースが多く、残っているバス停を探しまわりました。

 やっと見つけた「Ozato」のシール。この英語表記のシールを作るお金が、復興予算で賄われていました。

 南国の島のバス停を英語表記にすることが、復興?

 震災直後に東北の被災地に入ったこともあり、南国の空の下このバス停を見たとき。「マニアックな話でも伝えないといけない」という気持ちが再び強くなりました。

 むしろマニアックな方が、関心を持たれない中で税金が費消されている可能性が高いのですから。

 税金が有効に使われないということは、結局、私たちの生活や日本の国力にもダメージを与えるということではないでしょうか。

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最終更新:6/3(土) 7:00
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