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【Japan IT Week 春 2017レポート】ビジネスチャンスはどこだ?ITビジネスのいま(後編)

5/30(火) 16:02配信

BCN

【Japan IT Week 春 2017レポート】ビジネスチャンスはどこだ?ITビジネスのいま(後編)

panocloud VRのセミナーには多くの人だかりができていた

 リード エグジビション ジャパンが開催した「Japan IT Week 春 2017」。最終回となる今回は、いまやすっかり定着した「クラウド」「モバイル」ビジネスの動きを探る。(藤代格)

●IaaSに加えてPaaS、SaaS…これからのクラウドビジネスの中心は?

 GMOインターネットとGMOクラウドは、クラウドをテーマとした共同ブースでそれぞれの主力商材を展開した。GMOインターネットの目玉となったのは販売課金プラットフォームの「KaKing」だ。従来から展開する「Z.com Cloud」のSaaS型サービスとして提供するもので、自社開発し運用してきたシステム。クラウド事業部クラウドインフラチームの加藤由香子営業企画担当は、「GMOのクラウド、ホスティング、ドメイン、SSLなどの各種サービスの販売・課金管理の基盤として、月にIDベースで10万ほどの顧客をさばいているシステムを外販する。いわば、サービスを売る仕組み」と説明する。システムは6月末にリリースされる予定だ。

 一方のGMOクラウドは、SaaS型サービスのVRコンテンツ作成ツール「panocloud VR powered byGMO」(panocloud VR)を展示していた。360度のパノラマ画像をアップロードすれば、360度パノラマVRコンテンツを簡単に制作でき、アップロードしてから公開までをCRMで提供する。「panocloud」はもともとアジェンシアが開発・運用するサービスで、panocloud VRはGMOクラウドがインフラを提供する、panocloudのマルチテナント版ともいえるサービス。営業部セールスセクション第1セールスグループの岡?和幸氏は、「もともとGMOクラウドはWEB制作会社との接点が多く、彼らがプラスアルファとして提案できる商材を提供したかった」と、サービス化に至る経緯を説明。5月9日のプランリニューアルから再販価格を設定したこともあり、不動産やレストラン、ウェディング会場、ショールームなどに導入が進んでいるとした。

 また、panocloud VRのインフラにもなるIaaS型クラウドサービスの「ALTUS」(アルタス)も展示した。コスト削減に最適なBasic、高セキュリティ環境のIsolateの2種類で展開するパブリッククラウドのALTUSは、制作会社、WEB系などのアプリケーションに携わる企業、基幹系システムを持っていたり構築に携わる企業への採用が進んでいる。「ホスティング業界としてパブリッククラウドで初めてパートナー向け価格を設定してから、再販利用がかなり進んでいる」(岡?氏)と語り、いずれもパートナー経由のビジネスが主流となっているようだ。

●着々と進むモバイルの活用。ビジネスに活用できる、モバイルで行うべきITとは?

 モバイル活用展の入り口付近に陣取り、多くの来場者がミニセミナーに耳を傾けていたのは、クラウドベースのモバイルアプリ開発プラットフォーム「Monaca」を展示していたアシアル。HTML5とJavaScriptでiOS、Android、Windowsなどのマルチプラットフォームのアプリ開発を行うことが可能だ。もともとWEB制作会社での採用が多かったが、開発会社やシステム会社、SIerなどの採用が増えているという。取締役の塚田亮一マーケティング・事業開発担当は、「当初はアプリを売るためにそのアプリを作るという、アプリ主体のビジネスが多かったが、最近では、WEBサイトの延長としてユーザーを引きつけるためのアプリや、業務システムのモバイル対応など、アプリを補佐目的として作ることが増えている」と、開発の目的が変わってきたと指摘する。続けて、「アプリのエンジニアはまだまだ足りていない。アプリ開発にはしっかりとした要件定義が必要だが、なかなか時間をかけられないこともある。そうした声に対応、簡単にアプリ開発が可能になることが、Monacaが好調な要因」としている。

 今回、アシアルはアプリ開発のバックエンド機能をパーツとしてクラウド上から利用できる「ニフティクラウド mobile backend」を提供する富士通クラウドテクノロジーズ、アプリのBeacon対応を簡単・迅速に実現する「Beacapp」を提供するジェーエムエーシステムズと共同出展。モバイルアプリ開発をさまざまな角度からサポートできる点を強調する形となった。「数年前、モバイルは新しい市場であることから敬遠される傾向にあったが、今は対応しなければならない、そんな状況にある。SI案件は増えている」(塚田取締役)と、案件内容からモバイル市場の変化と、そこに広がるビジネスチャンスを語る。

 モバイル活用展の奥にブースを構えながら、賑わいを見せていたのはビジネス版のLINEを提供するワークスモバイルジャパン。単なるビジネスチャットではなく、コミュニケーション&コラボレーションツールを標榜する「LINE WORKS」を展開した。LINEと同じくNAVER傘下で、LINEとつながることがLINE WORKSの最大の特徴だ。同時に、ビジネス版であるため強固なセキュリティ機能や管理機能を装備しているという。マーケティングチームに所属する白子考介シニアマネージャーはLINE WORKSについて、「スマホの時代になった今、ビジネスチャットからグループウェア機能などまでをスマホで実装しており、スマホを一台持っていれば、なんでもできるようになる」と説明する。そして「モバイル対応のビジネスアプリを展開している企業は多いが、メインはPCと捉えているところが多く、すべてをスマホで、と考えているビジネスアプリは見あたらない」と指摘する。LINE WORKSと機能的に競合する製品は多いが、すべてをモバイル仕様で展開するため、実質的には競合は少ないともみている。「小さい画面でなんでもしようとなるとすごく大変。UI、UXへはかなりの投資をしている。PCの画面をそのまま置き換えただけでなく、スマホの画面に最適なデザインで提供しており、LINEのように直感的に使うことができる」と、モバイルへの自信をみせる。

 販売については直販よりもKDDIや大塚商会といったパートナー経由が多いとのことだが、その理由の一つを決済方法に挙げる。「直販の場合はオンラインからのクレジット決済という形式をとっているが、日本の企業は請求書決済を希望される場合が多い。その際にはパートナーの力を借りることになる」(白子シニアマネージャー)と、パートナービジネスが多くなっている現状を語った。

●ITをどう活用し、どこを目指すべきか。解決すべき本質とは

 主力製品となるグループウェア「desknet's NEO」やビジネスチャット「ChatLuck」などを展示、5月から始まったサークル活動「めんどくさい研究所」を大きくプッシュしていたのはネオジャパンだ。さまざまな業務の「めんどくさい」をChatLuckを活用してオンラインで一定期間ディスカッション、提議された議案をもとにめんどくさいをクラッシュする「クラッシュミーティング」をオフラインで開催。研究結果を社内に持ち帰り、業務改善への活用を目指すという、ユーザー参加型の労働環境改善活動を展開している。ChatLuckのPRを兼ねており、「ITをどうやって、何に活用できるか」を今一度突き詰める機会提供となっている。5月のテーマは「会議のための、会議ってめんどくさい」、6月のテーマは募集中だという。

最終更新:5/30(火) 16:02
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