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市場拡大受け、総菜工場の新設相次ぐ 食品各社

5/30(火) 7:00配信

茨城新聞クロスアイ

総菜市場の拡大を受けて、食品大手が相次いで製造工場の新設に動いている。都市部を中心に共働きや単身の世帯が増え、安価で調理の手間が省ける総菜の人気が高まっていることが背景で、スーパーも売り場を改装するなど力を入れている。


伊藤ハム米久ホールディングス(HD、東京)は約50億円を投じて取手工場(取手市ゆめみ野)敷地内に新工場を建設する。2013年に稼働した既存工場と合わせて2棟目となり、18年3月の稼働を目指す。

延べ床面積約1万平方メートルの同HD最大規模の総菜工場となり、主力の薄型チルドピザや片手で食べられるワンハンドスナック、シチューパイを生産する予定。最新の自動化ラインを導入することで人手不足にも対応。東京工場(千葉県柏市)をはじめ、各工場に分散していた機能を順次、新工場に集約していく方針。

同HDは昨年4月に伊藤ハムと米久が経営統合して誕生。統合による経費削減効果やシナジー(相乗効果)が出てきたことから、過去最大の大型投資に踏み切った。主にコンビニやスーパー向けに総菜などを生産する取手工場に2棟目の工場を新設することで、商品カテゴリーの拡張や調理加工食品の営業体制、既存商品の競争優位性の強化につなげる狙いがある。

統合初年度の17年3月期に7926億円とした連結売上高を21年3月期に1兆円とする目標を掲げる。目標達成の鍵を握るのが総菜など調理加工食品で、取手工場を中核とする生産体制増強により、売り上げを主力のハム・ソーセージと同水準まで伸ばす計画だ。



ほかに、丸大食品も神奈川県横須賀市で50億円強を投資し、コンビニエンスストア向けの弁当や総菜を生産する計画で、18年春の稼働を目指している。

また、滋賀県に拠点を置くスーパーの平和堂は、新規出店や店舗改装に合わせて、総菜の調理の様子が見えるように売り場のレイアウトを工夫したり、店内で調理できる品数を増やしたりして出来たてをPR。1人暮らしの高齢者向けには小分けのパックも用意している。大阪市内の店長は「総菜は店の奥まで客を連れて来てくれる力がある」と説明する。

日本惣菜協会(東京)によると、16年の総菜市場の規模は前年比2・7%増の9兆8399億円で、10年前との比較では約20%伸びた。

証券アナリストは「(高齢者に加えて)所得の伸び悩みで外食を控える若者もおり、全世代を通じた需要がある」と指摘。ただ、各社の増産投資で今後は価格競争も激化すると予測している。

茨城新聞社