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生産者と消費者 ITでつなぐ 浜松の居酒屋チェーン展開の会社

5/30(火) 7:42配信

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS

 静岡県内で居酒屋「てんくう」をチェーン展開する「こころ」(浜松市中区)がITを活用し、県内の農産物生産者らと消費者をつなぐ取り組みを進めている。生産者の“顔”が見える電子商取引(EC)サイトを運営するほか、4月から来店者が料理の食材の生産者と交流できるシステムを試験導入。ローカルチェーンの強みを生かし、県内食材のPRを図る。

 IT事業も展開する同社は2016年秋、ECサイト「しずモ」を開設した。担当は若手社員の吉田ほたるさん(26)と岡崎愛香さん(25)。生産者のもとに足を運んで、その思いをはじめ、多彩な食品や加工品の魅力を取材しこれまでに約25軒を紹介した。「実際に食べておいしかったものばかり。生産者のこだわりを知った上で、購入してほしい」と期待を寄せる。

 同社は県内野菜を使った料理を提供し、生産者の名前をメニューに取り入れるなど地産地消を前面に押し出す。個店にない規模感と、大手にはない地域性を生かしてECサイトを運営し、ネット販売の際に生じる生産者の負担を軽減するため取引を全面支援する。

 店舗でも生産者を身近に感じてもらおうと、静岡市清水区の店舗では新たなシステムの運用を始めた。来店者がスマートフォンでチラシのQRコードを読み取ると、同店にマッシュルームを提供する「長谷川農産」(富士市)の生産現場の動画を見ることができる。コメントの記入機能や「しずモ」へのリンクもあり、その場で食品を購入できるようにした。夏までに全店でこのシステムを導入する予定。渡辺一博社長(42)は「生産者が消費者の声を聴くことで、モチベーションの向上にもつながれば。飲食店の仕入れへの活用など地産地消のプラットホームを構築したい」と語った。



 ■サイトの運営費募る

 「こころ」は6月5日まで、インターネット上のクラウドファンディングを活用し、電子商取引(EC)サイト「しずモ」の運営資金を募っている。生産者のさらなる負担軽減に役立てる。

 協力者には協力金に応じて、サイトで紹介している農産物や加工品をはじめ、生産現場を巡る体験ツアーパックなどを贈る。4月20日の開始以降、順調に協力者は増え、1カ月を待たずに目標の100万円に到達した。同社の担当者は「全国に『しずモ』をPRし、県内食材の魅力を知ってもらいたい」と呼び掛ける。

静岡新聞社