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IoTでエコキュートを最適制御、電力負荷を平準化

5/30(火) 9:10配信

スマートジャパン

■ピークシフトの実現を目指す

 大和ハウス工業と東京電力グループのファミリーネット・ジャパン(FNJ)は2017年5月、IoT技術を活用した「エコキュート」の制御サービスを開発したと発表した。

【電力負荷の平準化イメージ】

 同サービスは高圧一括受電サービスを導入するマンションで、生活リズムが類似する居住世帯をグルーピングし、グループごとのエコキュート稼働時間が分散されるように制御するものだ。これにより、マンション全体の電力負荷の平準化を目指す。

 「省エネ法 住宅事業建築主の判断基準 算定用 Webプログラム 1.2.6」によると、オール電化を採用している一般家庭の電力使用量において、エコキュートが占める割合は平均25%となっている。世帯ごとでは省エネや省コスト性を持ち合わせているが、マンション全体では電気料金の安い夜間に多くの世帯のエコキュートが稼働しているため、深夜の電力使用量が一時的に増大するといった問題が発生しているという。

 両社はIoTを活用して、マンション各戸のエコキュートを遠隔操作で最適制御することで、マンション全体の電力負荷を平準化できると想定した。大和ハウス工業の総合技術研究が持つ戸建住宅におけるエコキュートの稼働情報や遠隔制御の効果に関するデータと、FNJがネットワーク上に蓄積した電力使用データを組み合わせたとする。

 具体的には、マンション向けエネルギー管理システム(MEMS)とエコキュートを、スマートハウス用の通信プロトコル「ECHONET Lite」で接続し、エコキュートの稼働データをMEMSに集約。集約したデータはFNJのサーバに30分ごとに蓄積され、生活リズムごとに居住世帯をいくつかのグループに分類する。各グループの構成は蓄積されたデータを基に、エコキュートの使用状況から適宜変更することも検討するようだ。

 これにより各グループのエコキュートの稼働時間が分散されるよう制御を行うことで、マンション全体の電力負荷を平準化し、ピークシフトの実現を目指すという。

 同サービスで削減できたコストは、マンション内でのイベント開催や防災グッズの更新費用など、入居者に対して還元される予定。なお同サービスは、経済産業省が推進している「VPP(バーチャルパワープラント)構想」にも準拠する仕組みとした。

■D’sエネルギープランに組み込む形で展開

 エコキュート制御サービスは開発が終わり次第、大和ハウス工業の「D’sエネルギープラン」に組み込む形で展開する。D’sエネルギープランとは、高圧一括受電サービスと電力使用量の見える化、インターネット環境の整備を組み合わせたスマートマンション向けサービスである。大和ハウス工業とFNJが共同開発し、2017年1月に発表した。

 両社によると、電力会社などから高圧電力を一括受電し、マンションの各住戸に配電することで、電力会社との個別契約と比較して最大12%の電力料金削減につながるという。開設する入居者専用Webサイトでは、各戸の電力使用量が閲覧できるため、電力消費の抑制を促せるだけでなく、マンション周辺店舗の特売情報なども紹介する。

 大和ハウス工業では、2018年2月に完成予定の分譲マンション「プレミスト西船橋」(千葉県船橋市)で、D’sエネルギープランを初めて導入する。三大都市圏を中心に、同社が販売する分譲マンションに順次展開する予定だ。なおエコキュート制御サービスはマンションだけでなく、戸建分譲地にも同様のサービス導入を検討するとした。