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盲目の女性主人公は、音を頼りに恐怖の屋敷を“視る”。今晩PC版が配信のホラーアドベンチャーゲーム『Perception』を実プレイ動画とともに紹介

5/30(火) 18:03配信

ファミ通.com

文:編集部 ミル☆吉村

●音で周囲を認識する“反響定位”を応用したホラーゲーム
 Deep End Gamesの『Perception』を紹介する。本作は今晩午前1時ごろより、新興インディーパブリッシャーのFeardemicより、SteamでPC版が配信予定。日本語にも対応している。また海外ではプレイステーション4/Xbox One版も後日リリース予定となっている。

 本誌でもKickStarterでのクラウドファンディング時などに何度か紹介してきたが、本作は盲目の女性キャシー(公式訳ではカッシー)を主人公とする一人称視点のホラーアドベンチャーゲーム。物語は度重なる悪夢に悩まされてきた彼女が、その原因を追求するべく、マサチューセッツ州グロスターにある“屋敷”を訪れることから始まる。

 「盲目なのに一人称視点ってどういうことだよ」と思うかもしれないが、そこがゲームプレイ面での最大の特徴でもある。彼女は周囲の音や、自分の杖で床を叩くことによって発生する反響音を頼りに、自分の周囲の光景を“視る”のだ。本作は、視覚障害者が長けているとされる、この“反響定位”(エコーロケーション)と呼ばれる知覚方法を応用したホラーゲームなのである。

 具体的には、キャシーが杖で床を叩くと、青い霞のように周囲のオブジェクトの輪郭がうっすらと浮かび上がり、そして消えていく(こればっかりは映像を見て欲しい)。また、つけっぱなしのラジオのように自ら音を出している物体の周囲もまた、青く浮かんで見える。プレイヤーはこれらの残像を頼りに歩き、屋敷内を探索していくのだ。

 となればずっと杖を叩きまくれば安心じゃないかと思うかもしれないが、ふたつの大きな問題がある。というのも、キャシーは音を頼りに像をイメージしているだけで、現実の物体が見えているとは限らない。時折フラッシュバックのように、突然現れては消える奇妙な像を幻視することがある。“それ”が本当にそこに出現していたのか、恐怖が認識を狂わせたのか、それはプレイヤーにもキャシーにもわからない。

 そしてこの屋敷に潜む怪異と関係があるのかわからないが、どうもキャシーは一種の霊媒体質でもあるようで、過去の住人らしき幽霊を幻聴とともにはっきりと認識したり、手に取ったものから記憶の残滓らしきものを見聞きすることがある。

 それだけならいいが、この屋敷には住人の亡霊とはさらに別の“何か”がいる。そして“それ”もまた、音で周囲を認識するのだ。杖を叩きすぎると画面が次第に赤くなり、それが出現してキャシーを追い始める。捕まる前にクローゼットや衣装ボックスなどに隠れられればやりすごせるが、焦る中でどれだけ杖を叩かずにその場所にたどり着くことができるだろうか?

 しかし面白いのは、単に視界が悪いゲームで終わらずに、実際プレイしていくと、次第に暗闇の世界の歩き方に慣れ、杖の使用回数が段々と減っていく。
 これは完全に記憶を頼りに歩くのとはまた違う。すでに紹介したように現実と幻視と怪異が入り混じった世界に巻き込まれていく内に、時折屋敷の構成や通れる場所が変化することがあるので、杖に頼る場面はどうしてもある。だからルートを暗記するというよりも、プレイしている内に、プレイヤー自身が反響定位的な位置・方向感覚が身についてきて、見えた残像から推測して歩ける距離が伸びていくのだ。

 そしてもうひとつ、視界が悪い中で迷わないように、“第六感”を働かせることで、目指すべき目標の位置を視認できるという機能もついている。この機能は初期のデモでは存在せず、どうしようもなく迷う人がいたために追加されたようなのだが、回数制限やクールダウンタイムなどもなく、非常にプレイヤーの助けになる(ただし特定の場所では使用できず、自分で次に進む方法を探らないといけないことがある)。また最序盤などは行く必要のない場所はドアがロックされているので、順々に屋敷を把握できるようになっている。

 とまぁそんな感じに、亡霊のように青白く浮かび上がる虚実入り交じった異界を歩く本作、雰囲気などは非常にいいし、巧みな効果音などにどんどん引き込まれていくのだが、ひとつ問題があって、それは日本語ローカライズの質が微妙なこと。スタジオもパブリッシャーも多言語ゲームの対応を自分たちでやるのが初めてということもあってか、どうも余りよろしくない翻訳会社にアウトソースしてしまったか、十分な周辺情報が提供されずに訳が行われた節がある(ちなみにPC版でプレイ言語の選択はOSのデフォルト言語に左右されるようだ)。
 ちなみにFeardemicでは現在コンソール版の国内展開について複数の日本のパブリッシャーと調整中とのこと。個人的には契約がまとまった暁には、それを契機としてより良いローカライズが行われるといいなぁと思ったりもする。

最終更新:5/31(水) 10:55
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