ここから本文です

「年収2000万円が一番よかった」と口にする外資系金融マンの幸せ分岐点

5/30(火) 21:20配信

投信1

最近ちょっとしたブームなのか、「幸福論」という言葉が目につきます。やりがいとか、人のつながりとか、様々な定性的な要因が幸福の度合いを決める要素として並んでいます。確かにそうした要因にも納得感はあります。一方で、「その議論、何か足りないぞ!」と感じる方もいるかもしれません。それは何でしょうか。そう、金銭面での議論です。

外資系金融マンの間でよく話題になる幸福論があります。それは年収の水準に関する話ですが、意外にも年収が多ければ一概に幸せということではないようです。今回は幸せを考えるにあたって、じっくりと年収のことを考えてみましょう。

サラリーマンで本当の高給取りはどの職業か

様々な職業の中で「高給取り」といえば、医者、弁護士、コンサルタントなどが挙げられるでしょう。では、サラリーマンの場合はどうでしょうか。おそらく外資系金融機関に勤務するサラリーマン(以下、外資系金融マン)が該当するのではないでしょうか。

一般的に医者や弁護士は高給取りのイメージがありますが、勤務医であったりパートナーではない弁護士は皆さんが思うほどではなかったりします。

外資系金融マンは、能力があり、かつ(株式市場などが好調であるなど)運が良ければ、若くして高給を手にすることができる稀な職業と言えるでしょう。20代、30代でも年収が2,000万円、3,000万円という人材は結構いるのです。

最近はトレーディングにおける自動化が進み、生身のトレーダーの仕事も厳しい環境にはありますが、それでもトレーダーで結果を出せば年齢に関係なく多額の収入を得ることもあります。

こう言うと、「金融機関は規制で守られているからだろう」とか「個人の能力ではなく相場の良い時にたまたまそこで仕事していただけだろう!」というごもっともな指摘もあるかと思います。ただ、今回はあえてそうした本質的な議論はおいて、話を先に進めていきましょう。

”年収2,000万円を目指すプロセスが一番幸せだった”説を考える

若くして外資系金融機関に勤めるようになった人には、「年収が2,000万円になるまでのプロセスが一番幸せだった」と口にする人が多く見受けられます。なぜでしょうか。

もちろん年収が上がっていくわけですから、自分のパフォーマンスが会社に認められたり、任される仕事内容が高度になったりと、様々な点から幸せなプロセスと言えるでしょう。

では、なぜ年収2,000万円なのでしょうか。

これは所得税と関係があるのではないかと考えてみるのはどうでしょうか。

所得税は、課税される所得金額 × 所得税率-控除額で計算されます。

次の表を見ながら、課税される所得金額が900万円の人と1,800万円の人を比べてみましょう。

課税される所得金額が900万円の場合、所得税率23%、控除額63万6,000円を前提とすると、手元に残る金額は約757万円。一方、課税される所得金額が1,800万円の場合、所得税率33%、控除額153万6,000円を前提とすると、手元の残る金額は約1,360万円となります。

つまり、課税される所得金額は900万円違い、手元に残る金額は約600万円違うことになります。

では、課税される所得が2,000万円のケースではどうでしょうか。所得税率は40%に跳ね上がります。控除額の枠は279万6,000円にまで増えるとはいえ、その控除額を活用できたとしても手元に残るのは約1,480万円となります。よって、課税される所得が1,800万円から2,000万円に200万円増えても、手元に残る金額は120万円の増加にとどまるわけです。

所得が増えることで税率がアップし、税率が低かった時と比べると手元に残る金額がそれほどでもないという現実の前に幸せ度が下がっていると言えるかもしれません。

話は細かくなりますが、課税される所得といわゆるサラリーマンの年収は別物です。給与等の収入金額(給与所得の源泉徴収票の支払金額)に応じて給与所得控除額があるからです。

たとえば、給与等の収入金額が1,000万円を超える場合には、上限で220万円の控除があります(平成29年分)。つまり、課税される所得が1,800万円の人の年収は約2,000万円程度ということになります。

こうしてみると、年収がおおよそ2,000万円近くになると所得税率が切り上がり、それで「がんばって働いて会社に評価されたと思った割には追加分の手元残りが少ない」という感覚が、幸せの一つの分岐点と考えることもできます。

1/2ページ

最終更新:6/24(土) 8:10
投信1