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国重文「田熊の舞台」に落書き 津山、建造物損壊容疑で捜査

5/30(火) 12:59配信

山陽新聞デジタル

 岡山県教委は30日、明治初期から昭和にかけて農村歌舞伎の舞台として使われた国重要有形民俗文化財「田熊(たのくま)の舞台」(津山市田熊)の便所の内壁に「どろぼー」「あほ」などの落書きが見つかったと発表した。地元町内会が被害届を提出し、津山署が建造物損壊容疑で調べている。

 県教委文化財課によると、落書きは土壁一面にあり、いずれも茶色っぽい字で五つの単語が書かれている。乾燥した茶色のキノコが近くに落ちており、かさの部分がすり減っていたことから落書きに使用されたとみられる。17日に地元住民が発見した。

 同舞台は田熊八幡神社の境内にあり、1871(明治4)年築の木造平屋入り母屋造り。1960年ごろまで歌舞伎の芝居に使われていた。舞台裏手の便所も同時期の建築で使用中止となっていたが、施錠されておらず出入りは自由だった。今後、土壁を損傷しない範囲で同神社が落書きを消す予定。

 県教委は23日付で市町村教委に対し、文化財への防犯対策を徹底するよう通知した。

 田熊町内会の柿内穂(みのる)会長(66)は「地域を象徴する建物で住民が大切に守ってきた。これからも後世に伝えていかなければならないと考えていただけに憤慨しているし、悲しい気持ちでいっぱい」と話した。