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タレントが街を歩かない異色の街ブラ番組「バカリズムの30分ワンカット紀行」の魅力

5/30(火) 14:51配信

トレンドニュース(GYAO)

タレントがブラブラ歩いて、その街の魅力を紹介する街ブラ番組。その人気の秘訣(ひけつ)は、スタジオバラエティではありえない“ユルさ”だろう。その中でもとくにユルいと話題になっているのが「バカリズムの30分ワンカット紀行」(BSジャパン、毎週月曜23時30分~)だ。

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■タレントなし、ナレーションなし

驚くことにこの街ブラ番組は、タレントが街を歩かない。街を歩くのは、スタッフとステディカメラ1台のみで、ナレーションすらない。街を歩くスタッフの声もほとんど入っていない。そこでワンカット撮影された映像をほぼ編集なしのノーカットで30分にまとめ、そのVTRを見ながら、MCのバカリズムと内田理央がワイプで喋(しゃべ)るだけという作りになっている。

見どころは、ノーカットならではの“お散歩”の空気感。歩くスピードでゆっくりと映像が流れるため、なんとものんびりした気分にさせられる。また、タレントがいないので、住民たちにも「テレビがやってきた」という意識が少なく、カメラにチラッと視線を向けるものの、余計な警戒心や、タレントに対してのワーキャーがない。街が普段の街のままなのだ。

しかし、無言で歩くだけではその街の良さは十分に伝わらない。そこで、タレントの代わりに街を紹介するのは、“仕込み”と呼ばれるその街の住民たちだ。事前にセリフが決められている仕込みの住民たちにカメラを向けると、待ち構えていたように街の特徴やその店の売りを一生懸命に説明してくれる。たとえ噛(か)んでしまったり、多少声が小さくて聞き取りづらくても、ワンカットなので簡単には撮り直しはしない。実の親子や、友達と一緒に頑張る姿は、まるで何かの発表会を見ているような気持ちになる。

ちなみに、完全に失敗してしまった場合は、最初からすべて撮り直しだそう。ユルいものを作っている制作側は、実はわりとシビアらしい。

■セリフ聞き逃しても「ごめん」で終わり

ワイプで喋(しゃべ)る2人の存在もまた絶妙だ。バカリズムは、普通なら見逃してしまいそうな細かい部分に眼を向けて面白がる。また内田理央の気負いのない素直なコメントも、番組のコンセプトにピッタリ。2人の高すぎないテンションが住民たちのかわいらしさを際立てている。

もちろん、VTRを見るこの2人もワンカットで撮影されている。そのため、細かい部分で盛り上がりすぎてしまい、住民たちのセリフを聞き逃してしまうこともしばしば。それでも巻き戻さずに「お父さん聞いてなかった、ごめーん」と謝って終わらせてしまうあたりも、なかなか他の番組では見られないユルさだろう。

5月29日の放送でスタッフが向かったのは、モノづくりの街として有名な東京・蒲田。元祖羽根つきギョーザの名店や、キャビンアテンダントに人気なモナカ入り斬新ラーメンが取り上げられ、グルメ情報も満載だった。また、「趣味:発明」というご老人が作りだした謎の楽器「カポネオ」の音色とは……!? バカリズムと内田理央もニヤニヤしていた。

(文/沢野奈津夫@HEW)