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かれんな花ご用心 在来種駆逐の恐れ ナガミヒナゲシ繁殖

5/30(火) 6:01配信

上毛新聞

 強い繁殖力を持つ外来種の植物、ナガミヒナゲシが群馬県内で増殖している。この時季にかれんな朱色の花を咲かせるため、駆除しづらいという人間の心理も背景にあるとみられる。外来植物に詳しい群馬大社会情報学部の石川真一教授(55)は「在来植物を日陰にして駆逐する危険性がある。美しい花だが、私有地以外に植えることは控えてほしい」と呼び掛けている。

数年で急拡大

 ナガミヒナゲシは、地中海沿岸地域原産のケシ科の一年草で春から初夏にかけて開花する。観賞用として日本に入り、1960年に都内で初めて確認された。国立環境研究所侵入生物データベースによると、現在は沖縄などを除き、列島全域に分布している。

 県内では、県が2008年に実施した外来生物調査で、平野部や丘陵部の広範囲で確認された。以降、調査は行われていないが、石川教授は「ここ数年で急速に拡大している」と指摘する。

 東京農工大大学院の藤井義晴教授(62)によると、1株に8万~20万粒の種をつけるなど、繁殖力が強い。梅雨時に実る種は、ぬれた靴底や自動車のタイヤに付きやすく、道路沿いを中心に広がる傾向があるという。

 外来種は、太陽光を遮断するなどして在来種の生育を抑えることがある。ナガミヒナゲシも同様だが、これに加えて化学物質の放出により他の植物の生育を阻害する「アレロパシー」という作用が強いとされる。藤井教授は「周りの植物をバタバタと枯らすという認識は誤りだが、相対的にアレロパシー活性は強い。あまり神経質になる必要はないが、状況に応じて駆除を」としている。

 花の美しさも増殖の要因とされている。県立自然史博物館の大森威宏学芸員(51)は「花がきれいなために警戒心が解かれ、観賞用に植える人も多い。駆除する場合は種ができる前に引き抜くか、刈り取るとよい」と話している。

上毛新聞社

最終更新:5/30(火) 7:48
上毛新聞