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変貌遂げる阪神打線 ルーキー糸原も存在感、静かに進行する“変革”とは

5/30(火) 9:55配信

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阪神の得点力アップの具体的な要因とは

 首位争いを演じる阪神は、数年来チームの強みとしてきた投手力を保ちながら、今季は得点力も上昇させている。過去3年、1試合平均得点はリーグの平均を割っていたが、これを上回ることに成功している。その要因に、若返りを図ったレギュラー陣の活躍があるのは誰の目にも明らかだが、具体的に彼らのどんなスキルが得点力を高めているのかを考えてみたい。

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 まず、阪神のチーム打率はリーグ平均レベルにとどまっており、今季目立って安打が量産されているわけではない。外国人にほぼ頼らない打線で健闘してはいるものの、他球団を引き離すには至っていない。

 打者のボールの見極め状況などが反映されるBB%(打席に占める四球の割合。四球/打席)は今季急激に上昇している。四球による出塁が増えていることが確認できる。

 そして、長打の発生頻度が反映されるISO(Isolated Power=長打率から打率を引いた数字)もほぼ横ばいになっている。こちらも他球団に対する強みにはなっていない。

 野球を客観的な視点から考えるセイバーメトリクスでは、得点は出塁力と長打力を掛け合わせた数字に比例して増えていくというのが定説で、出塁はとても重要視される。数字の変化を見るに、今季の阪神の得点力の上昇は、四球を多く稼ぎ出塁力を高めたことによって実現されているようだ。粛々と塁を埋め、攻撃を継続することによって得点を増やしている様子が見て取れる。

「最も振らないチーム」に変貌した阪神

 阪神の得点力を底上げしているBB%の上昇がどのようにして起きているのか、より細かい数字を見ていく。ストライクゾーンに来た球を振った割合、ボールゾーンに来た球を振った割合、それぞれが昨季からどう変化したかを、球団ごとに算出し図示した。

 今季は全体的に振らない方向にシフトしている傾向はあるが、その中でも阪神が突出して割合を下げているのがわかる。ストライク、ボールいずれもスイングする割合を下げており、特にストライクゾーンに対しては6ポイント以上のダウンを見せ、12球団で最も「振らない」打線に変貌した。

 他球団についても見ていくと、昨季は突出して「振る」打線だったDeNAが、他球団並の数字に戻して来ている。その次に振っていた巨人も、数字を下げ、むしろ「振らない」打線になっている。日本ハムもスイングを控え気味だが、ここには今季打撃に加え、四球奪取でも好調な近藤健介が出場機会を増やしている影響がうかがえる。打線の状態がいい楽天は、ストライクゾーンの球を振る割合はやや上がり、ボールゾーンへの球は見逃すようになっている。好球を選んで安打にしているようだ。

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最終更新:5/30(火) 11:18
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