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<狭山虐待死>母親公判…子は死の危険性高い状態「母も冷水かけた」

5/30(火) 22:11配信

埼玉新聞

 埼玉県狭山市で昨年1月、藤本羽月ちゃん=当時(3)=が冷水をかけられて放置されるなどして遺体で見つかった虐待事件で、保護責任者遺棄致死や暴行などの罪に問われた、母親の無職藤本彩香被告(24)の裁判員裁判の第2回公判が30日、さいたま地裁(高山光明裁判長)で開かれた。解剖医の証言から、羽月ちゃんが高度なストレス状態に置かれ、死に至る危険性が高い状態だったことが分かった。

 検察側の証人として、羽月ちゃんを解剖した男性医師が出廷。検察側から遺体の所見を問われると、胸腺が異常に萎縮しているなどの状況を挙げ、「高度なストレス状態で、免疫力は著しく低下していた。円形脱毛症も複数にあった」と証言し、虐待の影響をうかがわせた。

 羽月ちゃんの死因は免疫力低下による敗血症。男性医師によると、口腔(こうこう)内にできた傷から細菌が入り込んだ可能性が高いといい、「口腔内は粘膜が裂けて剥がれており、傷は見たことのないくらい広範囲。棒状のものを突っ込まれたと考えられる」と述べた。

 検察側は29日の初公判で、要保護状態だった羽月ちゃんを放置したことが死亡の原因とする一方、弁護側は同居していた大河原優樹被告(26)=保護責任者遺棄致死罪などで懲役12年6月の判決=が冷水をかけ、裸のまま放置したことが原因と主張。昨年1月5、6日には羽月ちゃんが震えるなどの症状を起こしていたことが分かっている。

 証人尋問で検察側から、1月5、6日の羽月ちゃんの状況を問われると、男性医師は「死に至る危険がある状態。家庭で対処できるレベルではない」とした。1月8日夜に冷水をかけて放置した点は、「(冷水をかけて放置しなくても)そのままであれば、生存できるのは近接した時期まで」と述べた。

 この日は、大河原被告が証人として出廷。大河原被告は藤本被告の羽月ちゃんへの対応について「長女と全然違う」とし、「対応の違いを注意しても、けんかになり言い返されてしまった」と述べた。虐待を続けた理由は自身の公判と同様、「藤本に指示された」などと繰り返した。1月8日夜、羽月ちゃんに冷水をかけて放置した行為は「自分がかけた後、藤本がまた水をかけに行った」と主張した。

最終更新:5/30(火) 22:36
埼玉新聞