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強制わいせつ事件多発 スマホ中に被害、少年被疑者増…ネット影響か

5/30(火) 22:25配信

埼玉新聞

 埼玉県内で今年に入り、強制わいせつ事件が多発している。4月末までの認知件数は前年度比37件増の139件。イヤホンやスマートフォンを使用中に襲われるケースが目立ち、県警は女性を対象に「ながら歩き」の危険性を体感してもらう防犯指導に取り組んでいる。摘発件数も同37件増の104件と上昇し、少年被疑者の割合が増えている。

 県警捜査1課によると、被害者の年齢構成は10代と20代が全体の8割を占めた。発生場所は路上、発生時間帯は午後4時台~翌0時台に集中。若い女性が下校や帰宅途中、人通りのない夜道で狙われる傾向が浮かび上がる。

 被害者の状態別では、約2割が「ながら歩き」中だった。イヤホンは聴覚、スマホは視覚から得られる情報を奪い、周囲に対する注意が散漫になる。女性に「ながら歩き」の危険性を体感してもらおうと、県警は昨秋から、大学や専門学校、病院などで防犯指導を推進している。

 今月24日には所沢市泉町の秋草学園短大で、所沢署と県警防犯指導班「ひまわり」による性犯罪被害防止講習会が開かれた。女子学生171人が参加。代表の学生たちが実際にイヤホンやスマホを使用しながら歩き、背後から襲い掛かる犯人役の女性警察官を察知できるか検証した。

 「音楽に聴き入ってしまい、気付いたら抱き付かれていた」。イヤホンを付けて歩いた菊地玲有さん(19)は驚く。普段も片方の耳にイヤホンを付けて歩くことがあり、今回の防犯指導を機に「もう歩く時にイヤホンは付けないようにしたい」ときっぱり。

 スマホを操作しながら歩いた栗田彩香さん(19)は「何となく気配は感じたけれど、画面に集中してしまった」と反省。「1人だと心細い」という理由でついスマホに手が伸びるというが、逆に1人の時こそ危ないと分かり「これからは気を付けたい」と話した。

 一方、被疑者の年齢構成も若者が多く、県警のまとめでは4人に1人が10代の少年だった。前年に比べて1割ほど増えており、中には連続で犯行に及んだとして逮捕された事案も。少年を“性の暴走“に駆り立てる要因について、捜査関係者はインターネットの影響を指摘する。

 「ネットでわいせつ動画などを閲覧し、刺激を受けた少年が犯行に走る可能性は十分考えられる。さらに近年のスマホの普及によって、他人に監視されず容易にネットにアクセスできるようになった。そうした環境を社会が変えようとしないのも問題だ」

 県警は初動捜査を徹底するとともに、被害防止に向けて「なるべく明るい道を通る」「危険を感じたら大声で助けを求める」ようにアドバイスしている。もし被害に遭った場合は「恥ずかしいかもしれないが、犯人摘発のため、勇気を出して通報してほしい」と呼び掛けている。

最終更新:5/30(火) 22:25
埼玉新聞