ここから本文です

居酒屋「いざこい」驚異の快進撃 若者に支持される接客術とは

5/30(火) 15:00配信

AbemaTIMES

 居酒屋が不況と言われる中、20代を中心とした若者の支持を集め、急成長している居酒屋チェーン店がある。居酒屋の名前は「居酒屋いくなら俺んち来い。」。通称「いざこい」で親しまれている。

 居酒屋の売上高が8年連続で減少する中、日経MJが先日発表した、2016年度店舗売上高伸び率ランキングでは第3位、前年度比伸び率が驚異の38.4%を記録するなど快進撃を続けている「いざこい」。現在、関東に15店舗、関西に3店舗を展開している。

 はたして「いざこい」の原動力とは何なのか。その秘密を探るため、東京・町田市にある店舗を訪れた。

 「いざこい」を手がけるファイブグループ・ブランドディレクターの小林克也さんは「『いざこい』の業態は大学生など若いお客さんをターゲットにしているので、従業員も大学生や二十歳前後のいわゆる同世代。同世代同士で仲良くなって、そこからリピーターや常連客を生んでいく」と語る。

 繁盛の鍵は、ターゲット層である若い客と同世代の従業員。この店では毎晩9時に“乾杯タイム”として、客と従業員で乾杯することが恒例となっている。さらに、客の誕生日や記念日を全員で祝福してくれる(要予約)サービスもあり、見ず知らずの者同士が、一緒に祝福してくれるという。

 祝福されたお客さんは「恥ずかしいけどうれしい、人前にあまり出ないから。この店はワイワイしたいときに来たいと思う」とコメント。

 他にも料理の仕上げを客の目の前で行うなど、毎晩お祭りのように盛り上げる演出が、若い世代同士の一体感を深めているようだ。

マニュアルは最低限、スタッフには「お客様と仲良くなって」

 小林さんは「当社はマニュアルがあまりなくて。スタッフには『お客様と仲良くするようにしてください』としか伝えていません」と、マニュアルにはない自由な接客術が店員のモチベーションを上げることにつながっていると話す。

 実際に働く従業員も「お酒を飲みに来るというより誰かに会いに来るみたい。(魅力は)お客さんとスタッフの距離が近いこと」と語った。

 従業員と客全員が同じ時間を共有して会話をすることで人気となっている「いざこい」だが、この接客について、街の人はどう感じるのか。

 街の20代~30代前後の若者に「いざこい」のサービスを見てもらうと「恥ずかしい、身内だけで祝ってほしい。わざわざ居酒屋で騒がない」といった意見もあったが、「楽しそうだと思う。みんなでお店の人が祝ってくれたら、みんなで盛り上がれるから新しい友達もできそうだし」や「知らない人に祝ってもらうのは素直に嬉しいと思う。友達も作りづらくなってくるし、主婦をしていると、外の世界で交流がないので、こういう居酒屋で他の人と話が出来るのはうれしい」と、取材した8割以上の若者が「いざこい」のサービスに賛成だった。

 しかし、なぜ今若者に「いざこい」のような接客が人気なのか。若者心理に詳しい臨床心理士の矢幡洋氏は「過度な束縛や干渉を嫌う若者にとっては『店を出れば終わるという付き合い』で煩わしさがなくていい。さらに、盛り上がるのは好きだが、自分主導で盛り上げるのは苦手なため、従業員が盛り上げてくれる中に入っていけるのが良い。会話が途切れることを嫌う若者にとって、従業員が同世代というのは会話の内容に困らない」と、「いざこい」が人気となった理由を紹介。

 さらに矢幡氏は「最近の若者は周囲の目を気にする人が多く、“ぼっち”を嫌う傾向がある。この店に来ればそういう若者が好む“擬似共同体”になれる」と分析した。
(AbemaTV/原宿アベニューより)

最終更新:5/30(火) 15:00
AbemaTIMES