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【ブラジル】商業者の景況感が改善

5/30(火) 4:18配信

サンパウロ新聞

新たな政治危機で先行きは不透明

 物価上昇の勢いの衰えとより低い水準に引き下げられた各種金利が、このところの小売業者らの景況感に前向きな影響を与えている。しかし、この傾向がこの先も続くとは考えにくい。ミシェル・テメル大統領の不正疑惑が持ち上がった今月中旬以降の政局の混乱が、少しずつではあるが調子を取り戻しつつあったブラジルの経済活動に水を差す可能性が非常に大きい。
 22日付伯メディアによると、全国商業連合(CNC)がまとめた2017年5月の商業経営者信頼感指数(Icec)は前の月よりも2.7%高い103ポイントへ上昇し、小売業者らの景況感が改善したことを示した。この値は16年5月の水準に対しては30%高く、前年同月に対する上昇率としては11年3月の統計開始以来最大を記録した。
 5月の指標はたしかに改善した。しかしこれは、今年4月の最後の10日間に実施された聞き取り調査に基いて算出された数値だ。つまり、テメル大統領が不正に関与したとする今月17日の告発によって政局が悪化する前の時点における商業者らの見方を表しているものだ。そのことから、CNCのエコノミストであるイジス・フェレイラ氏は、6月に指標が逆転(悪化)する可能性を排除しないとしている。
 CNCの調査では、5月には在庫レベルが望んでいた水準を上回っていると回答した商業経営者の割合は4月の31.6%から29.9%に縮小した。この割合は前年同月の調査時には33.8%だった。また、指数の算出に使用される3種類のトピックスすべてが、前の月並びに前年同月に対して上昇した。現況を表す指標は前月比7.0%高、前年同月比74.8%高、同様に先行き見通しについての指標は1.8%高、22.0%高、投資に関する指標は2.3%高、18.6%高だった。
 しかし6月には、これらの指標はこれほど楽観的な結果をもたらさないだろう。フェレイラ氏は「(5月の)これらの値は直近の政治的な出来事を捉えていない。6月の結果がこれら(政局)の最新のニュースのインパクトを示す可能性は非常に高い」としている。
 同氏の分析によると、騒々しい政局は様々な改革の進行を妨げ、商業者らの楽観論に冷水を浴びせ、その影響は小売業界だけにとどまらず経済活動全体に及ぶことになる。また、小売業者らの投資意欲、新規採用意欲にもマイナスの影響を及ぼす可能性がある。
◆FGVの指標は5月に悪化
 ジェツリオ・バルガス財団(FGV)は25日、このところ5カ月連続で改善し、その間に累計で11.1ポイント上昇していた同財団がまとめる商業信頼感指数(Icom)が5月に悪化し、前の月の水準から0.5ポイント下がったと発表した。FGVブラジル経済研究所(Ibre/FGV)で公的統計を監督するアロイジオ・カンペロ氏は公式声明の中で「以前の数カ月間で大幅に上昇した後にもかかわらず、5月の商業信頼感指数の変化は歴史的に低いレベルで起こった」と指摘している。
 同指数の5月の低下は先行き見通しの悪化によって起こった。同指数の構成要素の一つである現況に関する指数は4月の水準を維持したが、先行きへの期待に関する指数は4月から5月にかけて1.0ポイント下がった。
 カンペロ氏は「最近は割賦販売に関係する分野における気分の改善が目につく。これは金利低下傾向とFGTS(勤続期間保障基金)の資金の解放を反映したものかもしれない」とした上で、「経済の不確実性の度合いを高め、商業部門の回復ペースに影響を及ぼす可能性を秘めている政治の混乱が引き起こされた時には、5月調査のためのデータの収集はすでにほぼ終了していた」と述べ、ブラジルが今直面している新たな政治的問題は5月の指数悪化に大きく関係していないとの見方を示した。
 FGVは5月2~23日に調査を実施、1118社から回答を得た。

最終更新:5/30(火) 4:18
サンパウロ新聞