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ウルフルズが『関ジャム』で示した「関西弁ソング」はこんなにも、ええねん!ということ

5/30(火) 18:05配信

RO69(アールオーロック)

今月28日に放送された音楽番組『関ジャム 完全燃SHOW』は、デビュー25周年のウルフルズが登場、「関西弁ソングの魅力」を解説するというテーマで届けられた。

関ジャニ∞といえばデビューシングル“浪花いろは節”に始まり、2ndシングル“大阪レイニーブルース”、3rdシングル“好きやねん、大阪。”と、活動の切り口がまさに「関西」であったこともあり、大阪にある喫茶店のバイト仲間で結成され、“大阪ストラット”、“ええねん”といった全編関西弁の曲から、標準語の中に関西弁が紛れている曲々を放ってきたウルフルズとは親和性が高い。2010年にはウルフルケイスケによる関ジャニ∞への楽曲提供(『8UPPERS』収録“Oriental Surfer”)も行われていた。

今回の放送ではまず、「関西弁ソングの系譜」として、トータス松本が「こういう歌が作りたい」と刺激を受けたという楽曲“買物ブギー”(笠置シヅ子)や、やしきたかじん“やっぱ好きやねん”、三木道三“Lifetime Respect”など、古いものから近年までの「関西弁ソング」が次々に紹介された。「ああ、こんな曲もあったなぁ」なんて懐かしい気持ちになるものや、SMAPの“Hey Hey おおきに毎度あり”だったり、DREAMS COME TRUE“大阪LOVER”など、従来は関西のイメージがなかったが「関西弁ソング」の鉄板となった曲も見られた。こうして関西弁が用いられた曲を聴いていると、暗い気持ちにさせる曲がほとんどなく、関西の陽気なイメージそのままに明るく、楽しい気分にさせてくれる曲が多いことに気付く。

しかし、トータスは意外にも「標準語の方がカッコイイ」と思っていたと明かし、矢沢永吉やRCサクセションの楽曲を例に出し、ロックのフレーズの語尾には「~だぜ」や「なのさ」といった「不良言葉」がかっこいいのだと持論を展開した。では、なぜあえて関西弁で歌うのか? それはメッセージをラフにしたり、二枚目すぎるメッセージが和らぐ作用があるからということらしい。なるほど、たしかに“ガッツだぜ!!”の《生まれて死ぬまであちゅー間》という歌詞に込められた「人生は短い」という少しシリアスなメッセージが、《あっちゅー間》という単語によってマイルドになっているのがわかる。

そして2つ目の理由として、ウルフルズの音楽性のルーツでもある「R&B」と相性が良いということを挙げた。関西弁の特徴である「母音が強い」発音が、実は英語の発音に近いという。これには、関ジャニ∞メンバーも口に出して「ホンマや!」と驚いたり、古田新太も「スゴイ発見!」と感激。この話題に付随して“ええねん”は、シカゴ出身の音楽グループ・インプレッションズの“Amen”の空耳から生まれたという秘話も飛び出し、そのほかにも関西弁に聴こえる英語の曲が紹介されたりと、「空耳アワー」的展開で楽しみながら番組は進んでいく。

そして、実践のコーナーでは、さだまさしの名曲“関白宣言”を関西弁にアレンジするという大胆な企画が行われた。トータスが関ジャニ∞メンバーと共に歌詞を変えていくのだが、《忘れてくれるな》→《忘れてくれるなボケ》、《できないこともあるから》→《できないこともあるやろさかい》といった斬新な歌詞の提案に、スタジオでは爆笑が起こり、歌詞を書き換えているだけなのに、まるでコントを観ているような感覚になったのも、関西出身グループ同士ならではの展開である。最終的に、明らかに字余りの部分も見られたが、いざトータスが関西風に生まれ変わったこの曲を歌うと、R&B風でどこかオシャレなのに親しみある“関白宣言”になった。これには、大のさだファンであるため歌詞を変えることに難色を示していたトークゲストのカズレーザーも「すげぇカッコいい!」と興奮、トータスも想像以上にハマったのか「さださんが怒らなかったらやらせて欲しい」と手応えを感じたようだった。

そしてスタジオライブのコーナーでは、渋谷すばる(Vo&G)、錦戸亮(Cho&G)、村上信五(Cho&Key)とウルフルズによる“ええねん”のセッションが行われたが、これがまた、何の違和感もなくピッタリとハマっている。渋谷のロック的なボーカル、錦戸の歪みが効いたギターソロ、跳ねながらコーラスをする村上の佇まいなどから滲むロックの熱量と、関西弁を使う楽曲を歌ってきたバンド同士の親和性が“ええねん”というシンプルな楽曲に溶け合い、気持ちのいいグルーヴが生まれていた。そして、終わった後は全員が楽しそうな笑顔を浮かべ、握手を交わしていたのがまた爽やかで良かった。

今回も「関西弁ソング」という切り口で音楽の楽しさをひもといた『関ジャム』。改めて思ったことは、「ロック」とはとても親しみやすいものであるということだ。いつだってロックは何も高尚じゃなく、どんな優等生にも劣等生にも平等にかっこよく見え、熱狂をもたらし、心地よさや楽しさを分け隔てなく与えてくれるものだった。

そしてそれは、ウルフルズをはじめとするミュージシャンたちが生み出してきた「関西弁ソング」にある「ラフさ」とも共鳴するし、あわせて関ジャニ∞が楽曲や、テレビを通して世に放ってきた「親しみやすさ」とも通じるのだ。この放送で先日、「METROCK 2017」に出演した際の関ジャニ∞のライブ映像が流れたのだが、サークルモッシュが発生している客席の盛り上がりを観て、だから関ジャニ∞は「ジャニーズ」と「ロック」の懸け橋になり得たのだろうと、しみじみ思った。(渡邉満理奈)

RO69(アールオーロック)