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世界の旧秩序、崩壊免れるも「重病」か-トランプ外交4カ月

5/30(火) 15:10配信

Bloomberg

トランプ米政権発足から4カ月が経過し、米国が第2次世界大戦以降に心血を注いで構築した世界の統治システムは崩壊こそしていないものの、深刻な困難に陥っている。

トランプ大統領は北大西洋条約機構(NATO)を時代遅れだとした考えを改める一方、北米自由貿易協定(NAFTA)離脱を思いとどまり、ロシアのクリミア併合を容認することも中国を為替操作国認定することもなかった。

それでも、就任後初の外国訪問でトランプ氏が米国の伝統的な同盟国に残したのは、昨年11月の米大統領選後に各国が懸念を抱いた一連の問題について、心配の種が減るのではなく、一段と増したという置き土産だ。

米国以外のNATO加盟国は、集団的自衛権の原則へのトランプ氏のコミットメントに確信が持てず、ロシアに対する同氏の態度は不透明で、自由貿易協定を巡る同氏の不信感を深く憂慮し、地球温暖化対策の新枠組み「パリ協定」から米国が脱退するのかどうか気をもんでいる。

米欧同盟関係の分析の大家で、国際戦略研究所(IISS、本部ロンドン)のフランソワ・エイスブール氏は「全く良好な状況にない。ある意味、私が考えていたよりも悪い状態だ」と述べ、トランプ氏の性急な性格と統治スタイルの問題だと説明した。

他の欧大陸首脳と馬が合わなかったブッシュ元米大統領(息子)ともうまくやっていくことができたドイツのメルケル首相は、今回、特に失望しているように見受けられる。同首相はNATO首脳会議と主要7カ国首脳会議(G7サミット)の計3日間をトランプ氏と過ごした。

28日にミュンヘンで開かれた支持者の集会に臨んだメルケル首相は、「他国を全面的に頼りにできる時代はある程度終わった。私は過去数日間にそれを感じた。われわれ欧州人は、まさに自分たちの手で運命に対処しなければならない」と語った。

確かに、ペルシャ湾岸各国やイスラエルにとって、イランとの対立関係で米国の明確な支持を打ち出すトランプ政権の誕生は勝利を意味する。だが、米国が同志の民主主義国と打ち立てた同盟や機関にはあまり具合が良くない。

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最終更新:5/30(火) 15:10
Bloomberg