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マクロン氏、プーチン氏と「率直な意見交換」

5/30(火) 12:08配信

BBC News

フランスの新大統領、エマニュエル・マクロン氏は29日、ロシアのウラジーミル・プーチン氏をパリ郊外のベルサイユ宮殿に迎え、初めて直接会談した。両大統領はお互いの意見が一致しない部分について、「率直な意見交換」をしたとマクロン氏は述べた。

首脳会談後の共同記者会見で、マクロン氏はテロとの戦いのため、シリアでもロシアと協力していきたいと述べた。プーチン氏は、フランスとの経済関係を強化していきたいと話した。

シリアについて

シリア紛争において、フランスはアサド政権に敵対するイスラム教スンニ派やクルド人勢力の連合を支援している。一方でロシアは、イランと共にアサド政権を強力に支えている。

それでも両大統領は共同記者会見で、両国が協力関係を強めていく機会はあると合意した。

マクロン氏は、過激派勢力のいわゆる「イスラム国」(IS)との戦いにおいて「ロシアとのパートナーシップ」を「強化」していきたいと述べた。さらに、「シリア国家を維持」する「民主的な権力移行」を希望していると話した。

その一方で、化学兵器の使用は「超えてはならない一線」で、そのようなことがあればフランスとして「直ちに反応する」と強調した。

プーチン氏はこれに対して、テロに対して国際社会が団結するのは「前向きな結果」をもたらすと同意。さらに、シリアにおいて「国家体制を破壊しながらテロの脅威と戦うのは」不可能だと指摘した。

ウクライナについては

ロシアのウクライナ介入について、フランスは強硬姿勢をとってきた。2014年のクリミア侵攻を機に始まった欧米の対ロ制裁は、ウクライナ東部で親ロ分離派が勢力地域を掌握して以来、強化されている。

プーチン大統領はこの日の記者会見で、欧米の制裁はウクライナ東部の安定につながらないと述べ、制裁解除を呼びかけた。

両大統領は、合同作業部会の再開およびドイツでの協議再開に合意した。

ロシアは仏大統領選に介入したのか

今年の仏大統領選で、プーチン氏はマクロン氏と戦ったナショナリストのマリーヌ・ル・ペン氏を支持していたように見えた。第1回投票の1カ月間には、クレムリン(ロシア大統領府)でル・ペン氏を歓待していた。

しかしプーチン氏はこの日、「だからといって我々が何らかの形で選挙に影響を与えようとしたなど、そんな話にはならない(略)しかもそんなことは不可能だ」と関与を否定した。

記者団が重ねて、ロシアによる外国の選挙への介入について質問すると、プーチン氏は「話すことは何もない」と述べた。

今月14日に就任する前、マクロン氏はロシアが「軍事的威圧と情報戦争を組み合わせたハイブリッド戦略」を駆使していると非難していた。

マクロン氏は記者会見でプーチン氏を横に、ロシア政府寄りの「ロシア・トゥデイ」や「スプートニック」といった報道機関が、自分の選挙戦に対する「プロパガンダ」を駆使していたと批判した。

マクロン大統領はさらに、ロシア・チェチェン共和国で同性愛の男性たちが迫害を受けているとされる問題を、首脳会談で取り上げたと説明。これについてプーチン大統領は、「地元当局の行動について真実を確定するための措置導入」を約束したという。

マクロン氏はフランスとして、この問題を「注視していく」と言明した。

ロシアのピョートル大帝についての展覧会がベルサイユ宮殿で始まるのに合わせて、首脳会談も宮殿で開かれた。

<解説> ぎくしゃくとぎこちない会談――ルーシー・ウィリアムソンBBCパリ特派員

汗ばむ陽気ながら、両大統領の初会談は冒頭からひんやりしたものだった。握手は短く、笑顔もこわばりがちだった。

そしてその2時間後、会談を終えた2人の雰囲気は、温まっているどころかさらに冷え冷えとしていた。意見が一致しない具体的な論点はたくさんある。しかしそれに加えて、初めて会ったこの2人の間には、個人レベルのぎこちなさが感じられる。

大統領選の間、マクロン氏に対抗する極右候補をプーチン氏は支持するかのように見えた。そしてマクロン陣営は、ロシア治安当局が自分たちを再三ハッキングしようとしたと非難していた。こうした経緯が、両大統領の会談に影を落としていた。

マクロン氏は共同記者会見中、プーチン氏を横に、ロシアの報道機関2社を「プロパガンダの手先」と呼び、自陣営の取材から締め出したのは正しい判断だったと強調した。

(英語記事 France's Macron holds 'frank exchange' with Putin)

(c) BBC News

最終更新:5/31(水) 15:30
BBC News