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三拍子、いや四拍子そろったC大阪躍進の立役者

5/31(水) 16:04配信

スポーツ報知

 3年ぶりにJ1に昇格したC大阪が、(言っちゃ悪いが)予想外の健闘を続けている。28日の神戸戦に勝って3連勝とし、リーグ戦は13試合を消化した時点で暫定3位。何と言っても尹晶煥監督の采配によるところが大きいが、そのヒットの最たるものが、昨季まで守備的な選手だったMF山村和也(27)の前線起用だろう。開幕3戦目の札幌戦からトップ下に定着。ここまで3試合で決勝点を決めるなど、勝利に直結する働きを連発している。

【写真】山村と同級生のC大阪・清武

 この山村をトップ下に据えたのは、指揮官の慧眼としか言いようがない。186センチの長身に加えて「足元の技術も高いから」との理由で、高校・大学時代を通じてもほとんど経験がなかった攻撃的ポジションに抜てきした。4月30日の川崎戦では、角度のない左サイドから、GKの右手をかすめるグラウンダーのシュート。ピンポイントのコントロールで左ネットを揺らした決勝ゴールは、見事の一言だった。

 尹監督が言う「技」もさることながら、「体」のすごさは素人にも分かりやすい。もともとセンターバックやボランチだったからだろうが、対人の勝負に強い。5月14日の広島戦や20日の大宮戦では、複数のDFに囲まれながら、ボールをキープしてチャンスメークする場面が何度もあった。さらに驚くのは、常に涼しい顔でいること。表現は悪いが、顔をゆがめて走るようなことがないから、いつも手を抜いているように見える。本人は「毎試合ヘロヘロですよ」と笑って否定するが、案の定、子どものころから長距離走は得意だったという。

 C大阪では主将のFW柿谷曜一朗や、MF清武弘嗣と同級生の27歳。もともとは12年ロンドン五輪の代表にも選ばれたエリートだが、鹿島時代にポジション争いに敗れるなどの挫折を経験したからだろうか、人柄も穏やかで、取材での受け答えも丁寧だ。開幕戦までは控え組の扱いだったが、「練習で競争を続けていれば、あとは監督が判断するだろうと思っていた。悲観することはなかった」と振り返る。「心」も一流だ。

 今季は3度の決勝ゴールのほか、広島戦や神戸戦では重要な得点もアシストした山村。しかしスペインから戻った清武の国内復帰初ゴールやFW杉本の複数得点などが重なり、その活躍を十分に報じてくることができなかった。ここらで罪滅ぼしも兼ねて賛辞を贈りたい。心技体、三拍子そろった序盤戦のチームMVP。マスクも甘くて、女優の奥様もいる。参りました。(記者コラム・中村 卓)

最終更新:5/31(水) 17:34
スポーツ報知