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骨髄ドナー登録、助成で後押し 17年度富士宮、静岡市も

5/31(水) 7:38配信

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS

 白血病患者らを救う骨髄提供者(ドナー)とドナーの勤務先に対する助成事業が清水町に加えて2017年度から、富士宮、静岡両市でも始まった。ドナーになる際に検査や入院で計7日程度必要になるが、休暇取得による職場への気負いや収入減少の心配がなくなる。ドナー登録者数が伸び悩む中、関係者は職場理解が広がり、登録者が増えることを期待する。

 助成事業は2013年度に清水町が静岡県内で初めて実施した。ドナーになる町民が町内の事業所に勤めていれば、1日当たりドナーに2万円、事業所に1万円を、7日間を上限に交付する。これまでに申請はないが、「必要性を感じる」(担当者)と継続している。新たに始めた2市もほぼ同様の取り組みで登録を後押しする。

 「命をかけたボランティアこそきちんと保証されるべき」。静岡骨髄バンクを推進する会の風間昌美事務局長(65)は助成事業を歓迎する。風間事務局長は約15年前にドナーになった。「登録から10年でやっと役に立てたと思えたが、仕事を休んだ分の収入が不安だった」と振り返る。

 日本骨髄バンクによると、患者とドナー登録者の白血球型が適合しても、実際に移植に至るのは5割ほどにとどまる。ドナー側が辞退するケースが大半を占め、その理由で多いのが「仕事などで都合がつかない」。

 こうした現状から助成を行う自治体は、5月現在で全国287市区町村に広がっている。また、11都府県では市区町村が助成制度を導入した際に、その費用の一部を補助している。風間事務局長は「県内のほかの市町にも広がり、登録のきっかけになれば」と話した。



 ■静岡県内目標の9000人割り込む 若年層への啓発課題

 静岡県によると3月末時点での県内のドナー登録者は8948人。2013年度に県が目標としていた9千人に達したものの、以後割り込んでいる。

 本県では特に若年層への啓発が課題になっている。3月末時点での20代の登録比率は9・3%で、全国平均の14・9%を大きく下回る。年間、新規登録者が400~500人いるが、55歳を迎えるなどして登録抹消となる人もほぼ同数いて、将来的なドナーの不足が危惧されている。

 静岡骨髄バンクを推進する会は、県から受託して教育現場などでの普及啓発に努めているが、会員の減少や高齢化で活発な活動が難しくなっている。県疾病対策課は「若者に関心を持ってもらえる方法を考えなければいけない」と知恵を絞る。

静岡新聞社