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引退・宮里藍 水面下で早くも激しい“争奪戦”

5/31(水) 11:00配信

東スポWeb

 今シーズン限りでの現役引退を26日に表明した女子ゴルフの宮里藍(31=サントリー)が29日、都内で会見を行い「モチベーションを維持することが難しくなった」と引退の理由を語った。注目の今後については、6月8日開幕の国内女子ツアー「サントリーレディス」(兵庫・六甲国際GC)をはじめ出場する試合がまだ残っていることもあって明言せず。日本のゴルフ界を引っ張ってきた女王は引退後、どうするのか。水面下では早くも激しい“争奪戦”が始まっている。

 引退を決意したのは昨年の夏。リオデジャネイロ五輪で米女子ツアーが3週間オフとなった時だった。

 2010年には年間5勝を挙げて日本ゴルフ史上初の世界ランキング1位にもなった。12年にも2勝したが、この年のメジャー全試合が終わった時から「これだけ調子がいいのにメジャーで勝つことができなかった。これからは何を目標にすればいいのか?」というモヤモヤした感情が心の中に居座った。

 アマチュア時代から目標に「全米女子オープン」優勝を掲げ、06年からは米国に主戦場を移したものの、絶頂期でもメジャー制覇の壁は突破できなかった。優勝も12年の「アーカンソー選手権」から遠ざかっている。この日発表の世界ランクでは117位だった。

 父でコーチの優さん(70)は「夢を与えることが宿命」と話したが「やっていた練習、トレーニングで追い込むことができなくなり、理想としている姿がそこにはなかった」(藍)という現実。「宮里藍らしいゴルフ」ができなくなり、勝利へのモチベーションを維持することも困難となると、これ以上現役を続けることはできなかったという。

 ただ、6月でまだ32歳。引退後はどうするのか。結婚については「今のところはないですね」と否定した。ツアーにも主催者推薦などで単発的に出場することはいつでも可能だが「100%ない、と今は思ってます」とこちらもケジメをつける意思を表明した。一方で「自分でもいろんなことができると思っている。4歳からゴルフを始めて、20年以上お世話になったので、いろいろな形で恩返ししたい」とゴルフ界へ貢献することは約束した。

 20年東京五輪は「今は考えられないけど、何かできることがあれば」と話したが、これにいち早く反応したのが日本ゴルフ協会(JGA)の倉本昌弘強化委員長(61)だ。この日は自身が会長を務める日本プロゴルフ協会の会見で「(東京)五輪に向けて女子の指導者(ヘッドコーチ)になってほしい」とラブコールを送った。

 別のJGA関係者は「宮里選手は日本ゴルフ界の宝。彼女にあこがれてゴルフを始めた選手も多いし、ぜひジュニア育成の大会に携わったりしてほしい」と期待を込めて話した。

 さらに、引退したアスリートの仕事の定番といえば解説者。日米を股にかけて活躍し、誰からも愛されるキャラクターだけに、全局がアプローチするのは確実な状況だ。日テレサイドがこの日定例会見で「スポーツに限らず、いろいろな番組でご一緒したい」と話しており、ドキュメンタリーなどへの出演依頼も殺到することは間違いない。

 また、藍には所属のサントリーやブリヂストンスポーツ、JALなど多くのスポンサーが付いている。こうした契約は選手としての活動を終えると一度白紙になるケースもあるが、スポンサー企業の一つは「うちは生涯契約」と明言。現役引退で活動の幅が広がることで、新たなスポンサーを探すとなればこちらも引く手あまただ。

「意志ある所に道はある」を座右の銘にしてきた藍だが「今後(引退後)の『意志』は決まってません」。どんな道を選ぶにしても、熱烈なサポートは約束されていると言えそうだ。 

☆みやざと・あい=1985年6月19日生まれ。沖縄県出身。父の優さんの指導で4歳からゴルフを始める。宮城・東北高3年の2003年にアマチュアとして30年ぶりにプロツアーを制し、その後プロ転向。06年から米ツアーに本格参戦し、09年7月の「エビアン・マスターズ」で初勝利。10年には5勝して世界ランキングで一時トップに。米ツアー通算9勝で、直近は12年7月の「アーカンソー選手権」。国内通算15勝。2人の兄(聖志、優作)もプロゴルファー。155センチ。

最終更新:5/31(水) 11:00
東スポWeb