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lynch. 曲ごとにベーシストを替えるという葉月からの提案をきっかけにバンドが前に/インタビュー2

6/1(木) 0:00配信

エキサイトミュージック

 
■lynch./New EP『SINNERS-EP』インタビュー(2/4)



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今までのlynch.を意図的に変えるようなことはしたくなかった

――そうしたみんなからの期待に見事に応えたのが『SINNERS-EP』です。水面下で復活に向けて動き始めた時、新作の構想もメンバー内で話し合ったんですか?

葉月:話し合いはそんなになかったですね。ベーシストを1曲ごとに替えたいというアイデアだけ出して、それについての話し合いはあったかな。このベーシストにしたいんですけど、ぐらいの。曲についてはいつもそうなんですけど、特にないんですよね。僕が作り上げたものをメンバーに渡して、どうですかっていう。いいねとなればいいし、まあ、“う~ん……”となることもないんですけどね(笑)。

――メンバー内では共通意識があったから、特別、話し合わずともという感じだったんですかね。でもベーシストを1曲ずつ替えるのは、現実的にそうせざるを得なかったからだけど、別の見方をすると、ミュージシャンとして贅沢ですよね。だって憧れのベーシストや音を出してみたいベーシストと、自分達のオリジナル曲を一緒にやれるわけですからね。

玲央:明徳がいなくなって、だからこそできることって何だろう、なおかつ、それを知った時にファンのみんながおもしろそうと思ってくれることは何だろうって考えていた時に葉月から具体的な提案をもらって、それはおもしろいじゃんと。そうやってバンド内が前に進む方向にディスカッションしていける環境になっていったんです。やってくれるか不安もあったんですけど、結果、やってくれて。客観的に見ても、これはすごいなって思いますよ(笑)。こんなベーシスト達がよく集まってくれたなって。

――ベーシストの人選はいろいろ考えただろうけど、音楽や楽曲に関しては自由奔放に取り組んだんですか?

葉月:そうですね。何の縛りもなかったですよ。もし自分の中で縛りがあったとすれば、リード曲はしっかりメロディで勝負して、ファンじゃないけど事件をきっかけにlynch.に注目している人達をかっさらえる曲にしたいなと。だから「TRIGGER」はほぼシャウトなしでメロディで勝負して。

――この歌がいいんですよ、鳥肌が立つほどに。

葉月:あっ、そんなに(笑)。ありがとうございます。今回は「SORROW」だけは悠介で、それ以外の曲は僕が作りました。僕がほぼフルコーラス作って、メンバーそれぞれが自分のパートをアレンジしてくる感じで完成形に持っていきましたね。昔から曲を書くのは僕と悠介で、だいたいいつもそういうやり方です。

――すごいヴァリエーションですよね。lynch.の持つ多様性を楽曲で見せたいという考えも働いていましたか?

葉月:そうですね。自分が書いたのは5曲なので、それぞれハッキリ分けて曲を考えられました。フルアルバムになると、曲数が多いことから、どこかタイプの似た曲が並ぶ時もあるんですよ。そういうのが一切ないぐらいバキッと分けられました。曲をいろいろ書いて選んだというより、基本的には1曲入魂です。ボツになった曲はないですね。必要な曲数しか作れないんですよ、時間がなくて(笑)。

――ミュージシャンは音で会話する、とよく言うじゃないですか。葉月から原曲を渡されたとき、具体的な会話はなくとも伝わってくるものも?

玲央:ありますよね。今作に限らず、曲が送られてきたら、今はこういうモードなんだろうなってのは、やっぱり分かりますよ。レコーディングまでに何度かデータのやり取りもして、もっとこうしてほしいとか、こういうフレーズのほうがいいとか、そういうところでもこういう曲に仕上げたいんだろうなとか分かりますね。そこで具体的な言葉でやり取りしちゃうと、それぞれの捉え方も違うというか。例えば“青い”といっても、それぞれの思い描く色味はちょっと違うじゃないですか。

――曲のデータをやり取りする中で、各パートの磨き上げ方はどんなことを意識していました?

玲央:僕はあくまでも今までのlynch.を意図的に変えるようなことをしたくないなって。あの一件をなかったにするような大幅なモデルチェンジはしたくないなという考えがあったので。だから逆に、前もこういうフレーズ入ってたかもね、というのを敢えて入れたりとか。それにベーシストが曲ごとに違うことで、自ずと聴こえ方も違ってくるので、メンバーが強引な路線変更しなくてもいいだろうと。

悠介:僕はこの数年、最初のインスピレーションを大事にしたアプローチをしています。考え過ぎたものは逆に耳に残らないなって思いがあって。だからそのやり方は変えず、作品に対しての取り組み方は一貫して。そうすればlynch.になる、という思いもあるので。

――ドラマーとしてはベーシストが曲ごとに違うというのは、いろいろやりがいもあるでしょう。

晁直:そうなんですけど、レコーディング前に直接的なディスカッションはなかったので、ちゃんと弾いてもらえる土台を意識しつつも、今までどおりという考えで叩いたんですよ。上がってきたトラックを聴いたら、皆さん、ツボを抑えつつ遊んでいるフレーズもけっこう多かったりしたから、自分達の曲だけど、おもしろく聴けたし、新鮮味もすごくありましたね。今回の経験と刺激で次回作からちょっと意識が変わりそうだなと。