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格安スマホ「満足」6割 それでも大手キャリア余裕のワケ

5/31(水) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

 大手キャリアーにとっては脅威なのか。

 調査会社「J・D・パワー」が先週24日に発表した、格安スマホとSIMカードサービスの顧客満足度調査(4月実施、総計8000人)のことだ。

 大手キャリアーから格安スマホ・SIMに切り替えた利用者のうち、6割以上が総じて「良くなった」と回答。とりわけ費用面は7割以上の利用者が満足しており、多くのユーザーが支払いが安くなったと実感している。となると、大手キャリアーは気が気じゃないのではないか。ITジャーナリストの井上トシユキ氏がこう言う。

「全然、心配していません。自社資産の有効活用ですよ。回線を所有している大手キャリアーはマージンを乗せて回線を格安業者に貸している。自ら顧客獲得やサービスをせずして、貸すだけで利益が得られるわけです。逆に、自社ブランドはターゲットを絞りやすくなった。高めの価格帯でも、きめ細かいサービス、高品質で差別化を図っています」

 利用満足度が高いといっても、格安スマホのネックはサービスだ。調査会社MM総研の調べでは、16年の格安スマホの出荷は前年比89%増の266万台と好調だが、その一方でトラブル相談も増えている。国民生活センターに寄せられた格安スマホの相談件数は年々増加。16年度は1045件で、15年度380件の実に2・8倍だ。

「一番多いのが、以前の携帯電話会社とサービスが違うことから生じるトラブルです。実店舗がなく電話だけで、なかなかつながらないとか、無料だったのが有料オプションになっているなど。格安を実現するためには、どこかでコストダウンせざるを得ない。同じ価格、同じサービスはムリな話なんですが……切り替え時に、サービスの詳細をしっかり確認するよう呼びかけています」(同センター相談情報部)

 安くても、そこそこのサービスを求めるのが人情だろう。

 格安スマホの浸透で、逆に大手キャリアーのサービスの良さが実感されているのだ。

「格安航空会社(LCC)も、サービスを削ったり、一部有料化するなどして注目されましたが、大手を脅かすには至りませんでした。それに似ているかもしれません」(井上トシユキ氏)

 大手キャリアーは、巨額の設備投資をしている。後続にアッサリ抜かれたら、割に合わない。