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債券の「格付け」とは? ~発行体の信用力に対する通信簿~

5/31(水) 17:40配信

ZUU online

ホテルや飲食店の世界では星の数による格付けが存在するように、債券の世界にも格付けというものが存在する。債券に投資しようと考えている場合は、この格付けについてしっかり理解しておく必要がある。今回は、債券の信用格付けについて解説する。

■「債券の利率」と「発行体の信用力」の関係

債券とは、国や企業などが資金調達することを目的に発行するものである。代表的なものとしては、国・政府が発行している「国債」がある。債券は株式とは異なり、発行体が債権者に対して、定められた期間で元本を返済(償還)する必要がある。簡単にいえば、発行体(国や企業)が債券を発行するということは、投資家から借金するということと同じである。

「債券の利率」と「発行体の信用力」は密接な関係性がある。信用力とは財務状況の良し悪しと言い換えてもいいだろう。例えば、信用力の低い企業は、債務が返済されない可能性が相対的に高い傾向にある。そのため、信用力の低い企業が債券を発行するときは、信用力の高い企業よりも高い利率を提示しないと、投資家は債券購入のための資金を出してくれないだろう。このように、基本的には、発行体の信用力が高い債券は利率が低くなり、発行体の信用力が低い債券は利率が高くなる傾向にある。

■発行体の信用力を表す「信用格付け」

それでは「発行体の信用力」とは、どのように推し量ればよいのだろうか。前述の通り、信用力は財務状況の良し悪しに依るところが大きいため、財務諸表を見て分析するのもひとつの手だ。しかし、一般の投資家が自らそこまで確認するのは難しいし、時間の制約もある。そこで参考となるのが、格付け会社が定める「信用格付け」だ。

「信用格付け」とは、債券に対する長期的な返済能力についてランク付けしたものである。言い換えれば、「借金を確実に返済できるかどうか」の度合いを示すものということになる。一般的にはAからDのアルファベットで示される。なかにはアルファベットを重ねたり(AA:ダブルエーなど)、アルファベットにプラスマイナスをつけたり(AA-:ダブルエーマイナスなど)して格付けを行うこともある。

S&P社のレーティングでいうと、BBB(トリプルビー)以上の格付を「投資適格格付け」といい、BB(ダブルビー)以下の場合は「投機的格付け」と呼ばれている。なお、投資適格格付けであっても債務不履行(デフォルト)リスクが全くないわけではない。同様に、投機的格付けの債券に投資してはいけないというわけでもない。もちろん、格付けが低いということはリスクが大きいということであり、投資の際には注意が必要だ。

■世界的な格付け会社3社と日系格付け会社

債券の信用格付けには、公的な指標があるわけではなく、格付け会社という民間企業が独自の基準を用いて実施している。各社の判断方法が異なる場合もあるため、同じ発行体であっても格付けのランクが異なることもある。そのため、どの格付けを基準にするかは、投資家自身で判断しなければならない。一般的には、以下の格付け会社を参考にすることが多い。

<世界的な格付け会社>
ムーディーズ、S&P(スタンダード・アンド・プアーズ)、フィッチ・レーティングスの3社が、世界的に有名な格付け会社である。

<日系の格付け会社>
日系の格付け会社としては、日本格付研究所(JCR)、格付投資情報センター(R&I)などが有名だ。格付投資情報センターは、もともと日本経済新聞社内の研究会から発展したものだ。

なお、日本で信用格付け業を営もうとする場合は、金融庁への登録が必要となる。2017年2月末時点では、7社の格付け会社が登録されている。

■債券投資では「信用格付け」を要チェック

債券投資は、途中売却でキャピタルゲイン(値上がり益)を狙う運用スタイルもあるものの、基本的には、満期償還までインカムゲイン(定期的な利子)を受取るスタイルが多く採用されている。そのためには、償還時に元本が確実に返ってくることが大前提となる。債券投資では、発行体の信用格付けをしっかり確認しておきたい。

格付けが高い企業の場合、一般的にリターンが低いといわれている。リスクを取るかリターンを取るか、自身の投資スタイルによって判断が分かれるところだろうが、格付けもひとつの判断材料となることを留意したい。(提供:確定拠出年金スタートクラブ)

最終更新:5/31(水) 17:40
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