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U20代表・中山雄太が見せた成長の証とは…悔しい敗退も日の丸の責任を背負った11日間/コラム

5/31(水) 17:33配信

GOAL

もっとこのステージで試合をしたかった。U-20ワールドカップの終幕を受け、大会の総括を求める記者陣の問いに対し、DF中山雄太(柏レイソル)の口から漏れてきたのは、偽らざる実感だった。

「試合を重ねることで自分が成長していくこともそうですし、あとは課題も見えてきました。ネガティブよりもポジティブになる要素が多くて、今日負けてしまったのが本当に悔しい」

国内の試合では体感できないスピードとパワーを持つ相手FWと対峙することに加えて、国を代表して戦う独特の緊張感と高揚感。その中で「自分の成長を実感できる場面も多かった」と振り返る。

元々はMF、それも攻撃的なポジションの選手だけに、足下の技術や視野の広さを生かしたビルドアップの能力に定評のある選手である。その中でセンターバックとして課題としてきたのは、対人の守備力。体作りの部分からこだわり、姿勢や細かい位置取りにも工夫や配慮をしながら、J1リーグでの戦いを通じて成長してきたものを試す場だった。「常に自分より大きい選手が相手だった」という中で、決して得意とは言えなかった空中戦でもしっかり戦い抜き、強さの部分でも成長を感じさせた。

加えて、精神面でも得るものの大きな2年間だったと振り返る。

「自分がチームで出ている時は最年少ですけれど、ここに来ると最年長。その中で統率力というのを求められます。チームでも求められているには求められているんですけど、ここでは年上という立場でもある。ラインも自分の駆け引きに皆が付いてきたりしてくれますし、その中で得るものはあったのではないでしょうか」

頼れる先輩たちに囲まれながら、それに導かれてプレーすることで引き出されたのが柏での成長だとすれば、周りから頼られる中でより強く責任を負いながら得るものがあったのが代表での成長だった。ディフェンスラインの統率という意味では、過去3試合ではオフサイドラインが乱れてピンチを招く場面が少なからずあり、イタリア戦での先制点など痛恨の結果にもつながっていた。ラウンド16を前に映像を通じて、あるいは練習の中で確認したその弱みは、最後のステージであるラウンド16の死闘でまるで見せなかった。ディフェンスラインとしての成長、ディフェンスリーダーとしての成長を感じさせる大会でもあった。

以前は「別にあってもなくても」とボカしていたキャプテンマークについても、「別になくても、というのもありますけれど」としながら「着けてからより感じるところもありました」と言っていたのは印象的だ。

黄色と黒の魂を抱く東京五輪世代のディフェンスリーダーが、小さからぬ責任を背負って戦った11日間。本人にとっては悔いを残す結末だったかもしれないが、そうした思いを成長の糧へと置換していける選手だという確信もある。ラウンド16に至って最高水準のパフォーマンスに至った守備陣の出来が、そのことを言葉よりも雄弁に物語っていた。

文=川端暁彦

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最終更新:5/31(水) 17:33
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