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自賠責保険---あり方懇談会の委員、財務省に申入れを要求する

5/31(水) 20:11配信

レスポンス

30日に都内で開催された「今後の自動車損害賠償保障制度のあり方に係る懇談会」(あり方懇)で、出席した委員から相次いで、財務省への貸付金の返済を迫る意見が出された。

財務省(一般会計)に貸し付けられた自動車ユーザーの保険料の運用益は総額1兆1200億円。このうち元利合計6169億円が、2003年から滞ったままだ。本来、この運用益は、交通事故被害者のために使われなければならない。

先鞭を切った天野真志委員(読売新聞東京本社経済部長)は「(返済期限の)平成30年度を迎えるタイミングに来ている。日本の財政事情が苦しい状況は当面変わらないことは自明なので、少しづつでも返してもらうような計画を立てていただくということで、財政当局とお話しいただきたい」

秋田進委員(自動車会議所保険委員会委員長)は「返済期限は平成30年度末だが、平成30年度予算を編成するのは今年度。ここがカギを握る勝負の年になる。万が一、また覚書が書き換えられて返済が先送りになるということになると、自賠制度のあり方が根底から崩れ、行政への信頼、制度への信頼が失墜すると考える。そうなってしまっては取り返しがつかない。この場にいる国交省、我々委員が中心となって期限内の確実な返済を実現したい」と、呼び掛けた。

毎年、委員の誰かが財務省に返済を求めてあり方懇で意見するが、実質上の返済期限となる今年は、これまでとは違った踏み込んだ提案があった。

桑山雄次委員(全国遷延性意識障害者・家族の会代表)は、「懇談会として申入れをする、懇談会として何か意見を表明できないものかなと思う」と、行動を求めた。

さらに、相原康伸委員(自動車総連会長)もこれに賛同。

「6000億円を戻さなくていいという意見は、この懇談会にはないと思う。過去、いくつかの団体が書面を持って行ったことは過去あるが、これだけ懇談会やっている。平成30年に向けて、懇談会の総意として、気持ちを形にすることができないかなと思っている。ぜひともご検討いただきたい」

懇談会には15人の委員が出席した。全体の3分の1の5人が返済を求めた。反対意見はなかった。

ただ、懇談会の座長を務める落合誠一東大名誉教授は「たいへん重要なポイントなので、事務局と検討したい」と、提案を預かった。

あり方懇は国交省自動車局の私的諮問機関だ。藤井直樹局長は「多数の方々からお話をいただいた。かなり長い間の歴史があり、平成30年が節目になるので、しっかり踏まえて対応したい」と語った。

一方で「この点は予算要求の中で行われるので、中身の(被害者対策が)いかに重要で必要か。そういった政策を打ち立てるのが何よりも大事。こうした事業の持続可能性があるかどうかということを議論する中で、繰り戻し(返済)の問題が議論できる」とし、委員の提案には反応しなかった。


《レスポンス 中島みなみ》

最終更新:5/31(水) 20:30
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