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宇良はどこまで番付を上げられるか-元小結高見盛の振分親方は「すごく楽しみ」

5/31(水) 14:00配信

デイリースポーツ

 大相撲夏場所で11勝を挙げた西前頭10枚目の宇良(24)=木瀬=は名古屋場所(7月9日初日、愛知県体育館)は前頭4枚目前後への昇進が確実で、横綱、大関をはじめ上位陣全員との対戦が初めて実現する。今をときめく小兵の動向が大いに楽しみな名古屋場所だが、正直な話、宇良は一体どこまで番付を上げる力があるのだろうか。

 夏場所の活躍は目を見張るものがあった。入幕2場所目というのに、初日に格上の荒鷲を押し出すと、輝、石浦に勝って3連勝。栃ノ心、琴勇輝に敗れて2連敗の後は、逸ノ城、蒼国来、阿武咲、松鳳山、魁聖、正代、北勝富士という難敵を破って7連勝した。14日目に苦手の貴景勝には敗れたが、千秋楽も大翔丸すくい投げで下して11勝に到達。優勝した白鵬、大関昇進を決めた高安以上と並んで場所を盛り上げた。

 本紙評論家の友綱親方(元関脇魁輝)は宇良の長所、将来の可能性をこう分析する。

 「宇良は今の(体が大きい)お相撲さんにとっては嫌な相手です。体勢が低いといいますが、腰が座って体勢を低くしてすり足で動けるのが、宇良にとっては普通。背の高い力士から見たら、落ちたと見えるけど、落ちていない。そこで相手は勝ったと思って墓穴を掘る。また、攻めと守りを分けて相撲を取っている。何でもかんでもしゃにむに攻めるようなことはしない。さらに、相手にいなされたら普通は腰を引きますが、宇良は逆にいなされたらそこを攻めていく。三役に顔を出すくらいのところまではいくと思いますよ」

 「ロボコップ」の愛称で親しまれた元小結高見盛の振分親方の見解はこうだ。

 「宇良は基本に忠実で身体能力が高い。後ろに下がりながら動いたりは普通はできない。立ち合いの当たりはまだ弱いけど、それを埋めて余りある動きがある。体は稽古で大きくするのがいい。食べるだけだとけがにつながる。来場所は上位陣と当たるようだけど、すごく楽しみ。横綱、大関のうち1人でも倒せたら、三役の可能性があると思う」

 もうひとり、本紙評論家の武蔵川親方(元横綱武蔵丸)の見方を聞いてみよう。

 「来場所は上位陣には宇良は初顔でデータがないからね。結構、勝てるんじゃないかな。前、横、後ろに動くし、何するか分からない。勝ち越しするんじゃないか。8番勝てるよ。番付どこまで上げるか楽しみだな」

 ただ、宇良にも天敵がいて、貴景勝には通算6戦全敗。友綱親方は「貴景勝は背丈が同じくらいだから、宇良が腰を落とした位置と大差ない。そういう条件で、貴景勝の方が体が重いし、突き押しの技術が上。宇良にしてみれば、背が高い相手の方がやりやすいのでは」と分析するが、この苦手克服は三役以上に上がる上で急務だろう。

 いずれにしろ、宇良がどう上位陣を攻略し、苦手を克服するのか。その先には初の三役昇進があるのか。真夏の名古屋場所が今から楽しみだ。(デイリースポーツ・松本一之)