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侍ジャパン新体制への不安要素~GM不在で責任の所在が不透明に?

5/31(水) 14:00配信

デイリースポーツ

 新たなステージへ動き出した野球日本代表「侍ジャパン」。ただ現状の新体制への動きに関して言えば、理想としていたものとは程遠い形となる流れに、失望感がぬぐえない。

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 5月15日に開かれたプロ、アマで構成される日本野球協議会の幹事会で、侍ジャパンの「強化本部」を新たに設置し、強化本部長と副本部長2人を置くことが承認された。

 この強化本部長が、いわゆるGMの役割を果たすものになるのかと注目をしていたが、実際には違う性質のものとなりそうだ。

 同協議会の幹事の1人は「GM職の設置については以前から言ってきたことでもある」と期待を込めて話していた。ただ監督選定は引き続き侍ジャパン強化委員会が担うなど、強化本部長は編成などへの権限も持たない。

 個人的には監督同様に重要なのは、GM職のようなポストの新設と考えていた。小久保ジャパンでの課題の1つが、そのビジョンが十分に伝わらなかったことにあるからだ。

 13年の第3回大会終了後、経緯や理由が十分に広まらない形で指導者経験のない小久保前監督へ託された。どんな監督でも長期政権となれば批判は出る。小久保前監督も15年のプレミア12で3位に終わった際には批判を受けたが、その声を大きくしたのが「なぜ小久保監督なのか」という疑問。そこに明確な答えが得られず、批判だけがふくれあがった。

 次期監督に関しても、順当な形で決まれば20年東京五輪まで約3年間の長期政権となる。だからこそ監督人選の陣頭指揮を執り、任命責任を負い、任期中の監督の評価をする。加えて新監督に求めるもの、代表の中長期的なビジョンを発信できる人物がGMに座ることが、本当の意味で監督へのサポートになると感じていた。

 侍ジャパン強化委員長を務める日本野球機構(NPB)の井原事務局長は、GM制について「米大リーグのGM的なやり方もあるが、今のところはそういう意見は出ていない。監督がチーム全体を把握し、その監督のチームを作っていく方がいいという考え方です」という見解を示した。

 強化本部長の権限にしても「おそらく(権限の幅などは)決めないと思う。その辺はざっくりとしたところで、あくまでも監督を支援するんだということで」と話す。現段階で強化本部は監督が求める選手や球団との交渉、コンディション維持を含めた状況把握をする機関となるようだ。

 それは大きな前進とは言い難い。うがった見方をすれば、ポストを増やして責任の所在を不透明にしたとも捉えられかねない。

 そして前述のような役割だとしても、監督が求める選手編成を受けて球団などと交渉するのはタフな仕事だ。ある程度の権限が必要であり、そのためには球界に影響力を持つ人物を据えなければ円滑にことは進まない。

 間もなく6月を迎え、新監督や強化本部長の人選も本格化していく。人事に対する透明性と明確なビジョン、そして新組織の有用性が示されることを期待したい。(デイリースポーツ・中田康博)

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