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高安「正々堂々」大関昇進 稀勢とV決定戦「できたら最高」

6/1(木) 5:03配信

スポーツ報知

 日本相撲協会は31日、東京・両国国技館で大相撲名古屋場所(7月9日初日・愛知県体育館)の番付編成会議と臨時理事会を開き、関脇・高安(27)=田子ノ浦=の大関昇進を満場一致で決定した。大関誕生は2年ぶり。高安は、都内のホテルで行われた伝達式で「大関の名に恥じぬよう正々堂々精進します」と口上を述べた。兄弟子の横綱・稀勢の里(30)との同部屋優勝決定戦を目指し、初陣となる名古屋の土俵に上がる。

 裏返った。午前9時37分。高安が入門から12年間待ち続けた第一声は甲高い声になった。前日に約30分、繰り返し練習。入念に準備したが晴れ舞台に緊張しないわけがなかった。「まさか自分がこの場に立てると思っていませんでした」。選んだ四字熟語は「正々堂々」。先代師匠の故・鳴戸親方(元横綱・隆の里)の教えに基づいたものだった。

 「相撲の美しさは勝っても負けても“正々堂々”の潔さにある」が先代の口癖だった。「三役に定着するくらいからですかね。この言葉を胸にやってきた」。13年秋場所で平成生まれ初の三役に昇進も上位陣の牙城を破れず上位と下位を往復する生活が続いた。悩む中、思い出したのは「正々堂々」の精神だった。

 「目先の1勝ではなく、人生の1勝を勝ち取るような相撲を取れ」。そう言い聞かされた。立ち合いの変化は論外。こそくな手段で勝っても次につながらない。日常生活でもそう。部屋の道具を壊した弟子が、それを隠していると烈火のごとく叱った。人の道に外れることを嫌う、その教えを胸に稽古にまい進。勝敗より内容を重視し試行錯誤を重ね、「稀勢の里関にも勝てるようにもなり、相撲内容もよくなって自信がついた」という必殺の「かち上げ」にたどり着いた。開眼させてくれた先代の言葉―。だからこそ使いたかった。

 歩みを止めるつもりはない。期待される兄弟子との同部屋優勝決定戦については「できたら最高ですね」と笑顔。だが譲る気はない。「ここから上にあがるには優勝しかないですから。それを目指してやります」。史上9人目となる新大関Vの先に見える綱。「正々堂々」を胸に大関・高安の挑戦が始まった。(秦 雄太郎)

 ◆正々堂々 態度や手段が正しく立派なさま。正々は正しく整っているさま、堂々は威厳があって立派なさまを意味する。孫子の兵法・軍争篇に由来する。本来は「正正の旗、堂堂の陣」で「旗の列が整い、士気の盛んな軍隊」を意味する言葉。

最終更新:6/1(木) 5:04
スポーツ報知