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[Alexandros]川上 音楽業界の裏方に必要なことは?

5/31(水) 20:01配信

TOKYO FM+

[Alexandros]の川上洋平が、TOKYO FMのレギュラー番組に出演。「将来、音楽業界で裏方として働きたい」というリスナーのために、[Alexandros]のライブスタッフにインタビューした内容を川上が解説しながら紹介しました。
(TOKYO FM「SCHOOL OF LOCK! アレキサンドLOCKS!」5月30日放送分)


「今日は音楽関係の裏方になりたい人のために、我々の音響チームの長、PAのコバヤシさん(44歳)にインタビューを取っておりますのでお答えしたいと思います! このコバヤシさんは、音響チームの中でリーダー的存在であるPA。ライブで我々のアンプから出す音を、みなさんの耳に届けるスピーカーから出す音を作っているんですね。だから“いやぁライブの音良かったな~!”っていうのは、音のはじめを出すのはウチらなんですけど、最後はこのサウンド・エンジニアの方がやっているんですね。そのコバヤシさんにお話を聞きました」

Q:今の職業に就こうと思ったきっかけを教えてください。

『22歳の頃、専門学校で講師に誘われて』という事です。『その講師が、実は現弊社の先輩』だそうです。専門学校在学中に、先生に「PAやってみないか?」と言われたと。

Q:働いていて、何がやりがいですか?

『お客さんの笑顔、大きな歓声、無事やり遂げた後の充実感』という事です。これは我々アーティストもそうですね。

Q:大変だった事は?

『仕込みを寝ずにする。リハーサルから本番への流れはいつも大変です』と。あとは『若い頃の使いまわされ感がとにかくしんどかったです』と(笑)。そうですよね。さっき“先輩に誘われて”ってありましたけど、いきなり“じゃ、音響任せるよ”って事じゃなくて、師匠がいて、最初はそこで足として使われる感じで入ると思うんですけど。まぁ使い回されたんでしょうね。だから体力は絶対必須なんでしょうね。

Q:これからその職業に就こうとする人、基本的には10代の方なんですけど、まずは何をしたら良いと思いますか?

これには、『アルバイトで現場に行って師匠を探す。もしくは入りたい会社を探す。またはライブハウスで働く』という回答を頂きました。
理由としては、『専門学校に行くのもアリなんですが、即日現場で使える知識は身に付かない』と。ただ、『必要な知識は真面目に勉強していれば吸収できると思いますけどね』と仰ってますね……。

例えば俺がサラリーマンだった時は、先輩が手取り足取りで名刺交換のやり方ぐらいから教えてくれる訳ですよ。言ってしまえば、すごく優しいわけですよ。でもそういうのが音響業界には無いわけよ。
その場で「やっとけよ!」って言われて、出来なかったら「何でそんなの出来ねえんだよ!」って言われると思います。言われてもおかしくない業界だと思います。だから知識はあったほうがいいんだろうけど、体当たりで怒られたり、恥ずかしい思いをしながら……その場でパッと身に付けていくわけですね。

コバヤシさんのアドバイスは『もう早く現場に行っちゃいな』って事ですね。これは俺も思いますね。すぐにでも師匠を探す。でも、いきなり「すいません、弟子にしてください!」って行っても、「はぁ?」って言われるかもしれないので(笑)。近くのライブハウスに行って「すいません、バイトからでも良いんでやらせてもらえませんか?」って事は言えるかもしれないですね。多分ライブハウスだったら、バイト募集って張り紙が貼ってある所があると思うので。そこでなんとなくの空気を学ぶっていうのもアリかもしれないですね。

Q:これからのその職業に就こうとする人に、最も求められる物は何だと思いますか? またはその理由は何ですか?

『探究心、そして向上心。理由は音楽を愛する心と職業への向き不向きは別だからです』と。
なるほどね。残念ながらね、才能というものはどんな業界にもあるものですから。アーティストはもちろんですけど、音響チームだって誰でも出来るわけじゃなくて、やっぱりセンスがすごく問われるわけです。いかにそのアーティストが好きでも、センスが無かったり技術が無かったら雇ってもらえない。仕事にならないわけですから。やっぱり常に自分の技術が上がるように向上心は大事だと思いますね。

これは、どんな職業に就こうが当たり前の事だと思いますね。でもコバヤシさん達は、探究心を常に持っていらっしゃるとアーティスト側から見ても思います。
実は、我々アーティストと音響が、ライブ終わった後に反省会をするLINEグループがあるんですよ。そこで「今日のライブどうでしたか?」って聞くと、向こうもアドバイスをくれます。ウチらも「こういう音が欲しいです!」って言ってフィードバックし合いながら、「じゃあ、次のライブはもっともっと良いものにしよう!」ってやっていくので。コバヤシさんはベテランの方なんですよ。でもその方でも甘んずる事無く、「アーティストを上へ上げていく、俺の力で!」って思っていただけるのは、やっぱり向上心と探究心が備わっているからなのかなって思います。

Q:10代でその業界を目指している若者へメッセージがあればお願いします。

『特に資格を得られる職業ではありません。給料も平均的会社員としては平均以下でしょう。若い頃を思い返せばつらかった事ばかりです。それでもやってこられたのは、人と接する事の大事さと楽しさを知れたからです。職業に限らずどんな良い出会いが得られるかが、人生にとって大事かと思います。まずは飛び込んでみるしかないでしょうが、失敗を恐れず探究心と向上心を持って何にでもチャレンジしてみましょう!』

僕もここは同じですね。特にこの業界は、おそらくみんなが想像している以上に大変だと思うんですが、ただ続けていくと絶対に自分にしか出来ない仕事になると思うんですよね。例えばアーティストさんでも「俺はこの音響の人でしか演奏したくない!」とかね。そういう風に自分ならではの力が付くと思う。

だから『資格を得られる職業ではない』ってコバヤシさんは仰っていますけど、それ以上に大切な物を得られる職種なのかなって僕は思ってますね。俺も今のチームは、やっぱり変えたくないし。たまにスタッフさんが違うと、正直ちょっと不安だったりする事もあります。
みなさんプロの方だから全然上手いんですけど、やっぱりコバヤシさんしか出せない音があったりするし、ウチらのクセだったりとか特徴を把握しているから、安心して演奏出来るんだよね。そういうアーティストからの信頼も得られるから、やっぱりやりがいを感じて貰えているのかなって……ちょっと生意気ながら思いますね。

やっぱり仕事は何でもそうですけど、大変な事は大変なので、その覚悟の上で挑んでほしいなと思います。僕もコバヤシさんと同じで、まずは飛び込んでぶつかって欲しいなと思います。コバヤシさん、インタビューにお答えいただきありがとうございました!


今日はライブスタッフというその道のスペシャリストなので、“みんなそれなりの覚悟を持って仕事しているんですよ!”という事を紹介してきましたけど、ミュージシャンも然りですよ。いわゆる潰しが利きにくい仕事(笑)。変な話、俺が声が出なくなったとか曲が作れなくなったら、明日から何をすればいいんだみたいな……そんな職業なんですよ。言ってしまえば水商売ですから。危ない橋を渡っているなって事は自分でも思っているし。でも俺は今ミュージシャンって事を病院の診察券とか問診票に書いてますから。“歌手”って(笑)。そんな風に誇りを持ってやっています!

最終更新:5/31(水) 20:01
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