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映画「沖縄を変えた男」 主演のゴリ「厳しかった役作り。だからこそ、全国で見てほしい」

5/31(水) 12:15配信

沖縄タイムス

◆沖縄限定で2万3000人が見た!

2016年に沖縄県内限定で上映された「沖縄を変えた男」(岸本司監督、高山創一プロデューサー)は、沖縄水産高校野球部を2年連続(1990、91年)で甲子園準優勝に導いた故・栽弘義監督をモデルにした映画です。

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 主演は県出身のお笑い芸人、ガレッジセールのゴリさん。いつもの朗らかな雰囲気と温かいまなざし、笑顔を一切封印し、体罰をいとわないスパルタ指導で身体的・精神的に野球部員を鍛え上げていく栽監督をシリアスに演じて話題になった作品です。6カ月の上映で約2万3千人が映画館に足を運び、県内企業28社が協賛するヒット作となりました。

 ゴリさんに映画の魅力を聞いてみました。(聞き手=沖縄タイムス社デジタル部・村井規儀)

―沖縄県内でヒットした理由は。

 「栽監督が成し遂げた実績の裏付けでしょう。当時の沖縄の人は、ずっと内地に対して劣等感があった。『甲子園で沖縄代表校が優勝するなんて、絶対に無理』と思っていました。それが今は、甲子園の強豪県になっています。その創始者に対して、感謝と回顧の意味を込めて多くの県民が映画館に足を運んだと思います。沖縄では栽監督の指導方法や女性関係などは知られていて、輝かしい実績の裏側やプライベートへの興味もあったでしょう」

 「世代によって思い入れが異なる映画です。小・中・高校で野球に打ち込む子どもたちにとって、甲子園=ゴールの意識が強い。その甲子園をイメージさせる栽監督の指導方法や生きざまは、興味をひかれずにいられません。一方、元球児たちは甲子園を目指していた己の青春時代を思い出しますし、『沖縄の野球は弱い』と信じてきた年配の方々は、夢を与えてもらった感謝の気持ちでスクリーンを眺めました。幅広い世代で楽しめるのも、ヒットの要因ですね」

◆プレッシャーかチャンスか?

―栽監督を演じてみて、どうでしたか。

 「やっぱり、畏れ多いかな。栽監督の成し遂げた事があまりにも偉大なので、自分が演じきれるかプレッシャーでした。演技には評価がつきもので、大役だからこそ、失敗したときの反動も大きい。多くの県民が栽監督を知っているので、『何でおまえが?  イメージに合わない』『全然ちがうよ』と言われるのも嫌だった。しかし、チャンスって、いつでももらえるものではない。配役の声がかかったことを自信に持って演じようと決めました。野球をしたことがないので、素振りから始めました」

 「(制作発表会見で『難しい役だが、赤い血すべてが栽監督になるように頑張りたい』と話したように)かなり気持ちを込めました。栽監督は沖縄のヒーローですから。沖水野球部の人から『背中が栽監督に似てきた』と言われたり、友人や街中の人々から『映画見たよ。でーじ、良かった』と感想を聞くとやっぱりうれしい」
 「栽監督を演じていると、1990、91年の試合を思い出しました。私は首里高校生で、同世代の球児たちが全国で戦う姿はとても大人に見えましたね。90年の沖水と天理高校(奈良)の決勝戦。9回裏の抜ければ同点のあの場面では、街が機能していなかった。誰もが働くことを忘れるほど見入っていた試合で、私もTVにくぎ付け。あの興奮はなかなかない体験でした」

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最終更新:8/11(金) 19:40
沖縄タイムス

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