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憎悪表現と戦う米フェイスブック、思いも寄らぬ活動家に援軍求める

5/31(水) 9:00配信

Bloomberg

昨年夏、ベルリンのヘイトスピーチ対策活動家、ヨハネス・バルドーフ氏は思いも寄らないところから支援を求められた。それはソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)最大手の米フェイスブックからだ。

過激なメッセージの拡散を阻止する上で、バルドーフ氏はフェイスブックを問題の一部と受け止めるのが習慣になっていた。その会社がここにきて、バルドーフ氏や他の活動家らに対しオンライン上で、クエンティン・タランティーノ監督のアクション映画「イングロリアス・バスターズ」でナチス兵狩りを行う部隊よりも思いやりがあり、優しい活動を要請してきたのだ。彼らの任務は、欧州で増加する移民や難民をスケープゴートにした偽ニュースや右派系プロパガンダにドイツ人が感化されにくくなるよう、ソーシャルメディアでのキャンペーンを考案することだった。

非営利団体アマデウ・アントニオ財団のバルドーフ氏(36)らのチームは、プロパガンダに対抗するストーリーである「カウンターナラティブ」という難解なインターネットアートを専門とする。この基本的なアイデアは、過激思想家が使うのと同じオンラインツールを活用するが、彼らの憎悪に満ちたメッセージを弱めることだ。同グループは1日がかりで意見を出し合う中、満員の地下鉄など日常生活のありふれた不満をマイノリティーのせいにする人々をさりげなく冷笑するインターネット・ミームを考案した。

ヘアスタイルがきまらない日やスクリーン画面が割れた「iPhone(アイフォーン)」など、日常の失敗に関する画像を公開し、ドイツ語で「人種差別主義者になる理由はない」というフレーズを添えた。すると間もなく、ネットユーザーからの写真が投稿されるようになり、そのハッシュタグはフェイスブックやインスタグラム、ツイッターでトレンドになり始めた。これはネットで情報を拡散させたと非難されがちなフェイスブックが、SNSで過激表現に対抗できると考える良い実例だ。

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最終更新:5/31(水) 9:00
Bloomberg