ここから本文です

米インフレのゴールポスト遠のく-6月利上げの準備進むも

5/31(水) 10:31配信

Bloomberg

米国の携帯電話利用料金の値下げ競争は一服したかもしれないが、この競争が一因となったインフレ鈍化傾向には歯止めがかかっていない。

米金融当局がインフレ指標として重視する個人消費支出(PCE)価格指数は4月に前年同月比1.7%上昇と、上昇率は3月の1.9%、2月の2.1%から鈍化した。変動の激しい食品とエネルギーを除くコア指数も前年同月比で2015年以来の低い伸びとなった。

原油の供給過剰や過剰在庫を抱えた自動車市場、賃貸住宅の供給増が物価上昇を抑制していることから、インフレが近いうちに加速に転じる公算は小さいと見受けられる。

ソシエテ・ジェネラルの米国担当シニアエコノミスト、オメイア・シャリフ氏(ニューヨーク在勤)は「鈍化はそれほど一過性のものではない。多くの抑制要因があるからだ」と語った。

この結果、米国のインフレ率は年内に金融当局者の予想に達することはなさそうだ。インフレ目標未達によって、6月の利上げが妨げられることはないと見込まれるが、この状態が続けば当局者が3月の経済予測で示していたような今年の3回目の利上げは一層難しくなるだろう。

30日にニューヨークで講演した連邦準備制度理事会(FRB)のブレイナード理事は「軟調なインフレデータが続けば憂慮すべき状況であり、最終的に政策の適切な道筋を見直すことになる可能性がある」と指摘した。

米金融当局が3月に公表した経済予測では、今年10-12月(第4四半期)のPCE価格指数は前年同期比1.9%上昇と、当局の目標である2%をわずかに下回るとされていた。だが、現時点ではこの予想にも達しない見通しで、シャリフ氏は6月13、14両日の連邦公開市場委員会(FOMC)後に公表の最新予測でインフレ予想が下方修正されるとの見方を示した。

バークレイズの米国担当チーフエコノミスト、マイケル・ゲーペン氏は、インフレ目標未達がもう1年続けば困った事態となるかもしれないとコメント。物価は長期にわたり低水準で推移すると消費者や企業、投資家が信じ込む傾向が強まりかねないと話した。

原題:As Fed Readies Rate Rise, Inflation Slips Further From Goal (1)(抜粋)

Sho Chandra, Richard Miller

最終更新:5/31(水) 10:31
Bloomberg