ここから本文です

【U―20W杯】武田修宏氏が緊急提言 8強逃したU―20に欠けているもの

6/1(木) 11:00配信

東スポWeb

【韓国・大田日発】サッカーのU―20W杯決勝トーナメント1回戦(5月30日)で日本はベネズエラに延長の末に0―1で敗れ、世界ユース選手権として行われた2003年大会以来の8強入りはならなかった。3年後に向けて結果が出なかった「東京五輪世代」に対し、本紙評論家の元日本代表FW武田修宏氏(50)が緊急提言。今のチームには何が足りないのか。飛び級で選出された15歳のFW久保建英(FC東京U―18)にもあえて厳しい言葉を投げかけた。

 勝つチャンスは十分にありながら、1点が遠かった。前半29分にクロスバーを叩いたMF堂安律(18=G大阪)の直接FKが入っていれば展開は違っていたかもしれないが、すべては「タラレバ」の話。1次リーグ3試合で無失点だったベネズエラの強固な守備を崩せなかったことが、今のU―20代表の実力だった。

 内山篤監督(57)は「選手は120分、よく頑張ってくれた。誇りに感じている」と選手をたたえた。今大会までの2年半、判断の共有というコンセプトでチームをつくってきたが「勝負どころでの精度は低い。それをいかに高めていけるか」と課題も残した。

 結果として今大会の日本はサッカー先進国の欧州と南米には勝てなかった。これについて武田氏は「単に世界との差というより、文化の差といってもいい」と根本的なサッカー観の違いを指摘した。

「日本はアジアではトップに立ったが、世界大会ではしたたかさというか、勝負の駆け引きの部分で劣る。試合の中で勝ちにいくのか、パスを回して落ち着かせるのか。日本は単調な試合運びだった。一方でベネズエラは勝ちにいくためのギアを持っていた。私がパラグアイでプレーしていた時にも感じたことだが、選手たちは生活がかかっているから1点の重み、勝ち点1の重みを知っている。この差が試合運びにも表れた」

 日本は技術が高い選手も多く、戦術的にも世界と遜色ない。だが「試合に対する執着心が足りない」というのが武田氏の見方だ。選手の実力を発揮させるためには、指導者のレベルアップも必要だとも感じている。「ベネズエラ戦でも失点してからベンチが焦っていた。それが選手にも伝わっていた」

 もちろん、そうした環境や選手個人の意識の差は一朝一夕には埋まらない。そんななかで、武田氏は一つだけどうしても声を大にして言いたいことがあるという。

「確かに日本にとって東京五輪は大事だけど、今の盛り上がり方ではこの世代は五輪で終わってしまう。サッカーの位置づけは、年齢制限がある五輪よりもW杯のほうが上。そこを目指さないと日本のサッカー自体が衰退する。堂安なんかはA代表に入らないといけないし、本田(圭佑)や長友(佑都)を追い出すような存在になってほしい。指導者も協会関係者もメディアもそういう考え方でいかないと」

 今大会で注目を集めた久保にも安易に称賛の言葉を並べない。「ピッチに入ったら15歳だろうが、年齢は関係ない。日本代表として選ばれているわけだから。久保のような選手は欧州や南米にはゴロゴロいる。だからハードワークや球際の強さを磨いてほしいし、危機感も持ってほしい。15歳で危機感を持てれば、伸びしろは大きい」

 悔しい結果に終わった久保は試合後「あまり収穫もなく帰るしかない。自分としては本当にふがいない。残念です」とうつむいた。一方で「こういう思いはこれを最後にしたい。選ばれたらこういう終わり方はしたくないので、もっともっと努力していきたい」と負けん気の強さも見せた。課題山積みの東京五輪世代にとって、残された時間は決して長くない。

最終更新:6/1(木) 11:24
東スポWeb