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現代日本画の精鋭展 県五浦美術館

6/1(木) 4:00配信

茨城新聞クロスアイ

平成以降に発表された日本画の名品を紹介する企画展「現代日本画の精鋭展」が、北茨城市大津町の県天心記念五浦美術館で開かれている。伝統表現を取り入れるだけでなく、斬新な技法やモチーフからは、探求心にあふれる現代画家のエネルギーが感じ取れる。

日本画壇で活躍する重鎮から気鋭の若手まで15人をそろえた。写実に基づきながら優雅な花鳥画で存在感を示すのが那波多目功一氏(ひたちなか市出身)や西田俊英氏。身近な自然を心象風景として昇華させている浅野均氏や松本祐子氏。海外に取材したエキゾチックな人物像を手掛ける梅原幸雄氏や高橋天山氏。ほかに、従来の日本画とは違った素材で抽象作品を展開する岡村桂三郎氏や間島秀徳氏(かすみがうら市在住)らが名を連ねる。

宮いつき氏の「ふたり」は、横たわる2人の人物がモチーフ。背景のオレンジ色とコラージュ風に配された草木が印象深い。女性隣の包帯姿の人物は、女性もしくは、抑圧された作者自身の内面を象徴しているようにも見える。

伴戸(ばんど)玲伊子氏の深い赤を基調にした「いびつなかたちをした土地」は、SF映画の一場面を連想させる。実際の舞台は、滋賀県愛知地方の田園地帯という。山々に囲まれたはのどかな地は、戦乱に巻き込まれた悲しい歴史を併せ持つ。現代の情景とその下に眠る土地の記憶が溶け合い、作品となった。

同館の永宮勤士学芸員は「第一線で活躍する日本画家の大作を集めた。多彩な技法や主題を通し、挑戦する姿を感じてほしい」と話す。

会期は7月9日まで。月曜休館。問い合わせは同館(電)0293(46)5311。

(沢畑浩二)

茨城新聞社