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幼児教育・保育を年内にも財源確保へ どうなる「こども保険」創設

6/1(木) 6:20配信

ZUU online

政府の経済財政運営と改革の基本方針、いわゆる「骨太の方針」原案が30日までにほぼ固まった。人口減や高齢化など中長期の日本経済の課題に取り組む。骨太の方針は、子育てから社会人まで全世代への教育投資の拡充を柱に据え、保育園や幼稚園の費用負担を早期に無償化する方針を明記する。無償化の財源については「こども保険」の創設などを検討し、年内に結論を出す 。

原案は6月2日の経済財政諮問会議に示され、与党との調整を経て6月9日にも閣議決定される。

■幼児教育の早期無償化や大学教育の質の向上

安倍首相は30日「成長戦略の中心に人材への投資による生産性向上を据える」と述べた。より多くの人が高等教育を受けられるように仕組みを見直すなど、教育投資の拡充を目指す柱となる教育については、特に以下の3点の政策を進める。

・幼児教育・保育の早期無償化や待機児童解消に向けて、財政の効率化、税制、新たな社会保険方式の活用を含めて安定した財源確保策を検討し年内に結論を得る。

・高等教育では給付型奨学金や無利子奨学金など、必要な負担軽減策を推進する

・大学教育の質を向上するため、教育課程などの見直し、教育成果に基づく私学助成の配分見直し、大学教育の成果の「見える化」を進める。

■早期の幼児教育無償化に向けた財源確保明記

原案は「幼児教育、保育の早期無償化や待機児童解消に向け安定的な財源確保の進め方を検討する」と明記している。幼児教育無償化は3年前の衆院選の自民、公明両党の政権公約である。

すでにこの数年、幼児教育無償化が段階的に進んでいる。2017年は、以下の幼児を対象に無償化される方向にある。

・生活保護世帯すべて
・年収360万円未満世帯の第2子は半額・第3子以降は全額
・市町村民税非課税の「ひとり親世帯」すべて
・年収約360万円未満で市町村民税所得割が課税される「ひとり親世帯」の第2子以降
・市町村民税非課税世帯の第2子など

今回の原案では、所得格差など無償化の格差を解消して、全面的な無償化を保証する財源確保の道筋を明確にする。

■悩ましい財源確保、子ども保険や税制改革案浮上

無償化の財源確保について、原案には「こども保険、税制改正などによる恒久的な財源の確保の取り組みを進める」と明記する。

子ども保険は、勤労者と事業者から厚生年金など社会保険料を0.1%上乗せして徴収する案。税制改正は、消費税や相続税、所得税を増税して充てる案だ 。教育国債は「教育投資の一環の財源として検討」と記すにとどめた。将来世代にツケを回すという麻生財務相ら財政再建派の批判に配慮した。最終的にどのような結論が出るか注目される。

このような財源確保策の前提として、国内総生産(GDP)600兆円の実現と、2020年度に黒字化する財政健全化目標の達成を目指す基本姿勢が堅持される。来年度予算は、社会保障費以外の歳出を「前年度と同程度の水準」に抑える方針だが、歳出抑制の具体策は乏しい。また膨張する社会保障費を抑制するため、新薬に対する患者負担増や薬価を算定する新しい組織づくりを検討することも視野にある。幼児教育無償化に向けた財源確保は悩ましい。(長瀬雄壱 フリージャーナリスト、元大手通信社記者)

最終更新:6/1(木) 6:20
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