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加熱式たばこが人気、受動喫煙対策法案にも影響?

6/3(土) 8:30配信

THE PAGE

 このところ、火を使わない加熱式たばこに注目が集まっています。この分野は外資系のフィリップモリスが先行していましたが、日本たばこ産業(JT)もようやく巻き返しを図ろうとしています。現在、内容をめぐって紛糾している受動喫煙対策法案の行方にも影響を与えることになるかもしれません。

 加熱式たばこは、葉たばこを燃やすのではなく、加熱して蒸気を発生させ、それを吸引するというものです。直接、火を付ける従来の紙巻きたばこに比べて、匂いなど周囲に対する影響が少ないとされています。

 この分野で先行しているのは外資系のフィリップモリスで、同社は2014年に加熱式たばこ「iQOS(アイコス)」の試験販売を行い、2016年からは本格的な販売に踏み切っています。同社は今年3月、将来的には紙巻きたばこから撤退する方針を表明し関係者を驚かせました。

 アイコスの大ヒットを尻目にもたついてしまったのがJTです。同社は昨年、加熱式たばこ「プルーム・テック」の販売を開始しましたが、生産が追い付かず、1週間で出荷停止に追い込まれるという失態を演じてしまいました。このためプルーム・テックはなかなか入手できず、新製品であるにもかかわらず、オークション・サイトにおいて高値で取引されている状況です。同社は生産設備の増強を行い、6月から東京での販売を、2018年には全国販売を開始するとしていますが、先行するフィリップモリスがさらに引き離しにかかる可能性も否定できません。もっとも、株式市場ではプルーム・テックの将来性から、JT株は上昇しており、期待の高さを伺わせます。

 現在、政府は本格的な受動喫煙対策を盛り込んだ健康増進法改正案を国会に提出する方針ですが、飲食店などからの強い反発があり、法案が成立するのかは微妙な状況です。同法案では加熱式たばこの取り扱いがどのようになるのかについては未定ですが、仮に加熱式たばこが周囲に迷惑をかけない製品であるとのコンセンサスが社会にできあがった場合、受動喫煙に対する考え方も大きく変わる可能性があります。

 禁煙を支持する人の多くは、社会全体で禁煙を強制したいのではなく、有害物質を強制的に摂取させられることや、不快な臭い、子供に危険をもたらす歩きたばこなど、一部の喫煙者による迷惑行為について問題視しているものと考えられます。

 加熱式たばこがこれらの問題をクリアできた場合には、禁煙に対する考え方が大きく変わるかもしれません。現段階ではまだ何ともいえませんが、ここまで加熱式たばこの人気が高まっていることを考えると、そろそろ国民的な議論が必要な時期に来ているでしょう。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:6/8(木) 6:02
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