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受動喫煙防止法不成立なら、どんな影響がありそう?市場縮小の可能性も?

6/2(金) 8:00配信

THE PAGE

 今国会での審議が予定されていた受動喫煙防止法案の雲行きが怪しくなってきました。小規模な飲食店などからの強い反発があり、自民党内で意見がまとまらないからです。

 政府は、東京オリンピックの開催を控え、公共の場所を原則禁煙とした本格的な受動喫煙対策の導入を検討してきました。国際オリンピック委員会や世界保健機関は開催国に対して「たばこのない五輪」を求めていますが、日本の対策は先進国で最低レベルという状況です。また司法判断においても受動喫煙は吸わない人に対して危害を加える行為であるとの見解が示されるようになってきたことも政府の対策を後押ししています。

 ところが、公共の場所を原則禁煙とする受動喫煙防止法案の概要が示されると、自民党内から反対の声が続出。与党内で意見の取りまとめができないという状況が続いてきました。

 原則禁煙にしてしまうと小規模な店舗の経営ができなくなるというのがその主な理由ですが、原則禁煙にした場合、店舗の売り上げがどう推移するのかについては様々な見解があります。厚生労働省が昨年8月にまとめた「たばこ白書」では、全面禁煙化によってマイナスの経済影響は認められなかったという海外の調査結果を示しています。一方、日本の民間調査会社が行った飲食店に対するアンケート調査においては、居酒屋では7割の店舗が「客数が減少する」と回答しています。

 日本の喫煙率は約20%ですから、絶対数としてはたばこを吸わない人の方が圧倒的に多くなっています。それにもかかわらず禁煙が実施されると客数が減ってしまうということは、喫煙することを目的に来店する人が多いということになります。もしこの仮説が本当だとすると、受動喫煙防止法が成立しなかった場合には、市場に対する別の影響も考える必要があるかもしれません。

 年齢別の喫煙率を見ると、20代の喫煙率は年々低下が進んでおり、若い人ほどたばこを吸わないという傾向が顕著となっています。今は喫煙を目的に積極的に来店する中高年がお店を支えていますが、10年先の喫煙人口の割合は大きく変わることになります。

 これに加えて近年の若年層はウーバーイーツや楽びんといった、ネットを使った飲食店の宅配サービスの利用にも積極的です。お店に行ってたばこの煙を吸うくらいなら、テイクアウトのサービスを使って家などで食事を楽しめばよいという人も増えてくるでしょう。現在の予想とは逆に、受動喫煙対策を進めないとかえって市場が縮小する可能性もあるわけです。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:6/7(水) 6:00
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