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新大関・高安が綱取りに必要な課題とは

6/1(木) 16:35配信

東スポWeb

 日本相撲協会は31日、関脇高安(27=田子ノ浦)の大関昇進を正式に決定した。東京・千代田区の帝国ホテルで行われた伝達式の口上で高安は「正々堂々」の言葉を入れて決意を表明。初優勝と平成生まれ初の横綱昇進へ向けても強い意欲を示した。ここ数場所は強烈なカチ上げを武器に好成績を挙げる一方で、弱点も露呈。高安が横綱となるために必要なものとは――。

 伝達の使者の春日野理事(55=元関脇栃乃和歌)から大関昇進を伝えられた高安は「謹んでお受けいたします。大関の名に恥じぬよう正々堂々精進します」と口上を述べた。

 新大関は伝達式後の会見で「自分の大関像は、どんな状況でも顔色一つ変えずに胸を張っていること。この言葉(正々堂々)に近づけるように精進したい」と口上に込めた思いを明かした。

 今後の目標は初優勝と、その先にある平成世代で初めてとなる横綱の地位だ。高安は「ここから上(横綱)に上がるには優勝しかない。優勝を目指してやります。絶対に現状に満足しないで、向上心を持って上を見たい」と力強く語った。もちろん、優勝と横綱昇進を実現するためには今まで以上に力をつけなければならない。そのためには、何が必要となるのか。

 ここ数場所の高安は強烈なカチ上げで相手の上体を起こしてから、突っ張りで主導権を握る相撲を軸にして結果を残してきた。逆に立ち合いのカチ上げが“不発”に終わった場合は苦戦を強いられる傾向にある。特に低い体勢で鋭く当たってくる相手には、引いたり安易にはたいて自滅した例も少なくない。夏場所6日目には関脇玉鷲(32=片男波)に立ち合い負けして一気に押し出される場面もあった。

 陸奥親方(58=元大関霧島)は「以前と比べても強くなっているのは確か。自信を持って相撲を取っている」としながらも「まだ引いてしまう相撲が何番かある。攻めた上での引きやいなしならいいが、下がりながらやるのはダメ」と指摘。日本相撲協会の八角理事長(53=元横綱北勝海)も「はたきはクセになる。やりすぎると、相手も見てくるようになるから墓穴を掘る」とクギを刺した。

 その上で「常に自分がいい形になるとは限らない。(劣勢になることを想定して)いろんなことを考えていかないといけない」と注文をつけた。夏場所では土俵際まで押し込まれながら、とっさの首投げやはたきが決まって逆転する“辛勝”もあった。今までよりも白星の確実性を高めていくためには、立ち合いの強化や得意の右上手を取る動きに磨きをかけていくことが不可欠となる。

 もちろん、新大関も課題は自覚している。新大関で迎える名古屋場所(7月9日初日、愛知県体育館)へ向けて「稽古をして精神的にも体力的にも一回りも二回りも、また大きくなりたい」と意気込んだ。

 高安の大関昇進を機に角界の世代交代が進むのか。注目を集める場所となりそうだ。

 ◆好きな食べ物 白米。高安いわく「おコメが好きで、つい食べたくなる」。夏場所前にどんぶり飯を大盛りで毎食4~5杯食べたところ、わずか2日間で体重が10キロ以上増の176キロに。好きなだけ食べ続ければ「200キロを超える自信がある」。母・ビビリタさんが作るビーフシチューも大好物だ。

 ◆ニックネーム 小中学校では「マルちゃん」。プロ野球の西武や巨人で助っ人として活躍したドミンゴ・マルティネス内野手に風貌が似ていることから。ファンの間で熊をほうふつとさせる毛深い体から「クマちゃん(さん)」など。ネット上では「怒ったテディベア」の呼称も。

 ◆元AKB秋元才加 ともに日本人の父とフィリピン人の母のハーフ。母親同士が知り合いで幼なじみ。小学校時代はケンカが絶えなかったが、現在は秋元が本場所を訪れて高安を応援することも。

 ◆稀勢との共通点 兄弟子の稀勢の里は茨城県牛久市、高安は隣接する土浦市出身で同郷。ともに中学まで野球を経験した。高安の守備位置は主に一塁、中堅で「練習は嫌い。でも、試合は好きだった」。顔面に死球が直撃して救急車で搬送された経験もある。

 ◆趣味 カラオケ。井上陽水を歌わせれば角界で右に出るものはなし。「海の声」(浦島太郎=桐谷健太)のクオリティーの高さも評判となった。

最終更新:6/1(木) 16:35
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