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南北の断層の徹底調査、規制委に申し入れ 浜岡原発訴訟で原告側

6/1(木) 17:25配信

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS

 中部電力浜岡原発(御前崎市佐倉)の廃炉を求めている訴訟の原告側弁護団は1日午前、原子力規制委員会を訪れ、同原発4号機の再稼働に向けた適合性審査で原子炉建屋直下をはじめ敷地内外を南北に走る断層群の徹底調査を文書で申し入れた。

 新規制基準では、原子炉建屋の直下で活断層が確認されれば、廃炉が決まる。同原発周辺には南北方向の活断層が複数存在し、弁護団は「4号機直下の南北断層も活断層の可能性があり、注意を払うべき」と訴える。

 4月下旬に同原発周辺で地質学者の塩坂邦雄さん(72)=静岡市葵区=と弁護団が共同実施した現地調査でも、同原発正面ゲートから北に約150メートル付近で、新たに南北の断層が見つかった。塩坂さんは「位置や角度からみて、この断層が4号機の直下にまで延びている可能性もある」と指摘する。

 中電は同原発建設時から、原発敷地内や周辺を東西に横切る9本の『H断層』を重点的に調査し、「原子炉建屋直下に活断層はない」と主張している。3月下旬に行った現地調査を含め、規制委の審査も「H断層」の評価が最大の焦点になっている。

 中電はこれまで規制委に提出した文書などで南北方向の断層群について存在を認めた上で、「いずれも『小断層』であり、活断層ではない」と明確に否定している。

 ■周辺に複数の活断層

 浜岡原発周辺には、南北方向に走る活断層が複数存在する。代表例は、同原発の東方約3キロにある「白羽断層」。弁護団によると長さは2・5キロに及ぶ。さらに、中電は規制委の指摘を受け、今年3月の審査会合で、別の南北方向の活断層(15・7キロ)が存在する可能性があるとした。

 こうした南北の活断層が形成された要因は「褶曲(しゅうきょく)」と呼ばれる地質作用にあると地質学者の塩坂邦雄さんは指摘する。褶曲とは、固まった地層に対して周囲からの圧力が加わり、地層が波を打ったようにたわむ現象。御前崎一帯の場合、フィリピン海プレートの沈み込みに伴い起こる。塩坂さんは「浜岡周辺では褶曲が作る活断層が南北方向になる」と解説した。

静岡新聞社