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桃田、復帰即Vで涙「また応援したいと思ってもらえる選手になりたい」

6/1(木) 6:05配信

スポーツ報知

◆バドミントン 日本ランキングサーキット最終日▽桃田2―1上田(31日・さいたま市記念総合体育館)

 男子シングルス決勝で、違法賭博に関与した元世界ランク2位の桃田賢斗(22)=NTT東日本=が14年トマス杯金メダルメンバーの上田拓馬(28)=日本ユニシス=を21―13、14―21、21―19で下し、1年2か月ぶりの復帰大会を優勝で飾った。今後は国際大会のカナダオープン、USオープン(ともに7月)にエントリー。20年東京五輪に向け、日本代表復帰と消滅している世界ランク再上昇へ本格的な復活ロードを踏み出す。

 相手の羽根がコトンと落ちた。アウト―。桃田は大歓声を浴び、コートに突っ伏した。「一つ恩返しができた。応援の声が見えない力になって、体を少し前に動かしてくれた」。握手を求めてきた上田の右手を、両手で丁寧に包んだ。15年に世界最高峰のスーパーシリーズ(SS)ファイナルを制した男が、国内大会の表彰状を涙を浮かべながら大事そうに受け取った。

 攻めた。「よっしゃ!」と己を鼓舞しながら強烈なスマッシュで崩す一方、泥臭くシャトルを拾った。コートに身を投げ出す姿に、会場は「おぉ…」と、どよめいた。「プレー自体はまだまだ」と謙虚だが、上田は真逆の感想を抱いた。14年トマス杯金メダルに貢献した世界ランク53位の実力者は「以前よりスピード感が上がった印象。SSの試合と比べても、今日よりラリーが単発で余力を残せることもある。今日はSS以上というくらい」。肌で感じた後輩のすごみに舌を巻いた。

 1年2か月ぶりに桃田の試合を見守った日本代表の朴柱奉監督(52)も「(本来得意の)ネットプレーがうまくできず(動きに)硬さはあったけど、フィジカル面は(謹慎前と)同じくらい」と評価した。代表即復帰はないが、近く桃田と面談して目標などを話し合う考え。順当なら12月の全日本総合選手権で上位に入り復帰となるが、強化本部推薦で早期復帰を果たす可能性もある。

 代表復帰と並行し、国際大会に自費参加して世界ランク再浮上に挑む。7月にカナダオープン、USオープンの2大会にエントリー。だが「(賞金を稼いで)周りの人が分かるくらい、派手な生活をしたい」と話し、五輪への道を踏み外した1年2か月前とは違う。「目標はどの大会で優勝するとかではない。また応援したいと思ってもらえる選手になりたい」。20年東京五輪の出場権が争われるのは19―20年シーズンの見通し。勝ちしか見てこなかった元世界2位は、新たな思いを胸に五輪への道を歩み始めた。(細野 友司)

 ◆桃田と世界ランク 世界ランクは、過去1年間の最高成績10試合分の獲得ポイントで算出する。自己最高の世界2位となった昨年4月7日付では8万1481点を持っていたが、リオ五輪に他の選手を派遣するために抹消させ、世界ランクも消滅した。7月にエントリーしたUSオープンはSSに次ぐ3番目の「グランプリゴールド(GPG)」、カナダオープンは4番目「グランプリ(GP)」の格付け。格付けに応じて獲得ポイントは異なり、GPGは優勝で7000点、GPは5500点が手に入る。

 ◆スーパーシリーズ(SS) 07年から実施され、五輪と世界選手権に次ぐ最高峰の大会。賞金額によって2つに区別され、出場資格なども異なる。毎年開催の国際大会で最上位の格付けがSSプレミア。世界ランク10位以内に出場義務があり、2番目のSSは同32位以内に出場権がある。16―17年季はSSが7試合、SSプレミアが5試合。年間成績の上位8人(8ペア)のみ招待されるSSファイナルが1試合。

最終更新:6/6(火) 8:13
スポーツ報知

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