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Qualcommが「Snapdragon 835」で動くWindows 10をデモ 実際どんな感じ?

6/1(木) 20:56配信

ITmedia PC USER

 Qualcommは6月1日(台湾時間)、「COMPUTEX TAIPEI」を取材する報道関係者向けに、ARMアーキテクチャCPU用のPC版Windows 10(以下「ARM版Windows 10」)を同社のモバイル向け最新プロセッサ「Snapdragon 835」を搭載するテストマシンで動かすデモを披露した。

【システムのプロパティーに表示されるCPU名は……】

 Snapdragon 835とARM版Windows 10を組み合わせたデバイスは、「Always Connected PC(常時接続PC)」としてHP、Lenovo、ASUSが製品化を予定している。

 実際、ARM版Windows 10はどんな感じなのだろうか……?

●見た目は普通の「Windows 10」だが……

 今回のデモで使われたのは、PC版「Windows 10 Enterprise」のInsider Preview版で、ビルド番号は「16188.rs_prelerease.170430-1928」。デスクトップを見る限りは、従来のPC版Windows 10と変わりはない。

 しかし、システムのプロパティを開いてみると、CPU欄が「Qualcomm Snapdragon SDM835」となっている。確かに、このWindows 10はSnapdragon 835で動いているのだ。なお、このテストマシンのメインメモリは4GBと、同CPUを搭載するスマートフォンでは一般的な容量だった。

 デバイスマネージャーを開いてみると、CPUの8つのコアが全て認識されていることが分かる。Snadragon 835のCPUコアは、ハイパフォーマンスな大きいコアと省電力性重視の小さいコアを組み合わせる「big.LITTLE」デザインとなっているが、ARM版Windows 10はbig.LITTLEの制御にも対応しているという。もちろん、GPUは内蔵の「Adreno 540」だ。

●既存のPC向けアプリも稼働

 実際に動作する様子を見ていると、従来のPC版Windows 10との違いは全くといっていいほどない。仮想デスクトップは問題なく使えるし、マルチディスプレイにも対応している。繰り返しだが、操作を見ている限りは違いが全く分からないレベルだ。

 ここでMicrosoft Officeアプリを動かすデモが行われた。Excel、PowerPointやWordが「普通」に、「滑らか」に動いている。

 ……というと、何の驚きもないように思われるが、このデモで稼働しているOfficeアプリは既存の32bit版。要するに、異なるCPUアーキテクチャ向けのアプリを動かしているのだ。

 ARM版Windows 10は、既存の32bitプラットフォーム向けWindowsアプリを実行する機能を備えている。そのため、現行のPC版Windows 10で動く32bitアプリは、ARM版Windows 10でも基本的に問題なく実行できる。もちろん、ARMアーキテクチャに最適化されたプログラムを実行することが望ましいが、今まで慣れ親しんできたアプリをそのまま使えるという点で大きなメリットがある。

 ただし、現状では64bitプラットフォーム向けのWindowsアプリは実行できない。今後、ARM版Windows 10をアップデートしていく中で対応する予定とのことだ。

●4K動画もスムーズに再生

 テストマシンで4K(3840×2160ピクセル)動画を再生するテストも行われた。何のことはなく「普通」に再生が始まり、コマ落ちはなく「滑らか」に視聴できた。ここで再生中のCPU負荷を見てみると、最大でも10%台前半に収まっている。予想以上に負荷がかかっていない。

 実は、Snapdragon 835に内蔵されているAdreno 540はH.264 (AVC)、H.265 (HEVC)、VP9形式の動画に対する再生支援機能を備えている。ARM版Windows 10でもこの支援機能を使ってH.264、H.265、VP9形式の動画再生時のCPU負荷を減らすことができるのだ。

 CPU負荷が減れば、その分をその他の処理に振り向けることもできる。動画を再生しつつ別の作業を行うことも問題なさそうだ。

●Gigabit LTEにも対応

 Snapdragon 835は、下り最大1Gbps・上り最大150Mbps(ともにスペック上の理論値)の通信に対応する「Snapdragon X16 LTE modem」を内蔵している。下り最大1Gbpsの「Gigabit LTE」に対応しているこのプロセッサは、ある意味でAlways Connected PCには理想的な存在でもある。

 もちろん、テストマシンでも「Gigabit LTE」を使うことができる。そのダウンロード速度を体感するデモも行われた。Rohde & Schwarz(ローデ・シュワルツ)の機器でGigabit LTE環境をシミュレーションしたものではあったが、350Mbps(約43.8MB/秒)前後の速度でデータをダウンロードできていた。

 これだけの速度で安定して通信できれば、大容量のデータをLTEでやりとりしてもストレスはないだろう。もちろん、「実効速度」や「データ通信容量」という「壁」はあるが……。

●まとめ:予想以上に期待できるARM版Windows 10

 今回は、Qualcommの説明員が操作する形のデモだったが、報道関係者の要望に応える形でいろいろな操作をして見せていた。それを見る限りでは、ARM版Windows 10は非常に良くできている。Snapdragon 835で動いているとは気付かないレベルだ。

 テストマシンは見ての通り“テスト”要素満載だ。しかし、それでも本当にしっかり動いている。これが製品版になったら、どうなるのだろうか……。

 もしかすると、Windows 10ノートPC・タブレットのCPUがSnapdraon中心になる未来もあり得るのかもしれない。

最終更新:6/1(木) 22:07
ITmedia PC USER