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【インタビュー4/4】グラハム・ボネット「マイケル・シェンカー・グループ編」

6/1(木) 12:08配信

BARKS

2017年3月に来日公演を行ったグラハム・ボネット・バンドへのインタビューの第4回(全4回)。最終回となる今回は、グラハムが1982年に在籍したマイケル・シェンカー・グループの話題を中心に訊いてみたい。

◆グラハム・ボネット画像

1982年にマイケル・シェンカー・グループに加入したグラハムは、アルバム『黙示録』(1982)をレコーディング。だが、同年8月のレディング・フェスティバルを前にしてシェフィールドで行われたウォームアップ・ライブで泥酔して、途中で職場放棄してしまった。このことについてグラハムは「人生最大の汚点」と語るが、35年の月日を経て今ではすっかり過去の笑い話となっている。

グラハム、ベス=アミ・へヴンストーン(ベース)、コンラド・ペシナート(ギター)、ジミー・ワルドー(キーボード/アルカトラスのオリジナル・メンバー)、新加入のマーク・ベンケチェア(ドラムス)が同席したインタビューだが、当時の話題が中心となったため、グラハムの独演会に近いトークが繰り広げられた。

──グラハムはマイケル・シェンカー・フェストでマイケルと共演しましたが、彼との関係はどんなものですか?

グラハム・ボネット:きわめて良好だよ。マイケルと俺が不仲だったことは一度もないんだ。ビジネスの問題や、俺が飲み過ぎだったことで疎遠になったことはあるけど、お互いのことを認めあっているし、同志だと考えているよ。

──マイケル・シェンカー・グループであなたの前任者であり、あなたが離脱した後に復帰したゲイリー・バーデンと仲は良いですか?

グラハム・ボネット:ゲイリーとはマイケル・シェンカー・フェストで一緒になったし、とてもいい人だと思う。クリスマスに自宅に招くほどプライベートで深い付き合いはしていないけど、彼のことは好きだよ。

──ゲイリー・バーデンはマイケル・シェンカー・グループを最初に脱退した後、ゲイリー・ムーアの『コリドーズ・オブ・パワー』(1982)のデモに参加しました。当初ゲイリー・ムーアはアルバムの曲ごとにゲスト・シンガーを迎えるつもりだったそうですが、あなたは彼のレコーディングに誘われませんでしたか?

グラハム・ボネット:ゲイリー・ムーアのバンドに入ってくれと言われたことは一度もなかった。でもあるとき、たまたま電車で彼と一緒になったんだ。電車の中でアルバムのデモを聴かせてくれて「どう思う?」「最高だね」と会話を交わしたんだ。そのとき、彼はおそらく俺に加入をほのめかしていたと思うけど、誘われはしなかった。ゲイリーは素晴らしいギタリストだし聴かせてもらった曲も良かったから、正式にオファーされたら真剣に考えたと思う。ただ、最終的に彼が自分で歌うことにしたのは正解だった。良いボーカルだったし、彼には誰も必要ではなかったよ。

──当時レインボーやホワイトスネイク、マイケル・シェンカー・グループ、オジー・オズボーン、ゲイリー・ムーアなどはメンバーが行ったり来たりしていましたが、アルカトラスではコージー・パウエルやドン・エイリーをあえて加入させなかったのですか?

グラハム・ボネット:まあ、そういう訳ではなかったけどね(苦笑)。1980年代初めは、その手の“スーパーグループ”がたくさんあったんだ。このミュージシャンとあのミュージシャンを合体させて新バンドを組めば、きっと成功するだろうってね。ただ、それがいつもうまく行くわけではない。アルカトラスではそういうのは避けたかったんだ。それで当時無名の新人だったイングヴェイ・マルムスティーンを迎え入れることにした。リッチーやマイケルのようなスター・ギタリストではなく、新しい才能を発掘したかったんだ。

ジミー・ワルドー:アルカトラスの結成当初、ある有名なバンドにいたミュージシャンと一緒にリハーサルしてみたことがある。あまりうまく行かなかった。マネージャーのアンディ・トルーマンに呼ばれて「他のメンバーはみんな彼を最高だと言っているよ」と言われたけど、奴は全員に同じことを言っていたんだ。実際には誰もそいつのことを気に入っていなかった。俺がイングヴェイに電話して「彼のこと、どう?」と訊いたら、彼も「俺はダメだと思うけど、グラハムが気に入っているとアンディが言っていたよ」と言っていた。それでグラハムに確認してみたら「いや、俺はダメだと思ったけど、他のみんなが最高だと言っているって」だって(苦笑)。

──それは元ジェスロ・タルのバリモア・バーロウのこと?

ジミー・ワルドー:違うよ。また別のミュージシャンさ。

──グラハムはレインボーの『ダウン・トゥ・アース』では歌詞を書く機会がなかったのは何故ですか?

グラハム・ボネット:『ダウン・トゥ・アース』ではレインボーに加入したばかりで、自分が何をすればいいかわかっていなかった。リッチーが書いた曲のどこにボーカルを入れればいいかもわからなくて、ロジャー・グローヴァーに任せっきりになってしまったんだ。ロジャーはリッチーとディープ・パープル以来の付き合いで、アレンジのことを熟知していたからね。それで彼が「曲のここにボーカルを入れて、ここはギター・ソロで、ここはキーボード・ソロで…」と指定することになった。ただ、歌メロは俺が書いたものだよ。まったくクレジットされていないけどね。

──マイケル・シェンカー・グループの「アサルト・アタック」は歌詞中に“アサルト・アタック”というフレーズがないのに、何故そのタイトルが付けられたのですか?

グラハム・ボネット:リハーサルをしていたとき、あるクルーがスタジオのベンチで寝ていたんだ。それでマイケルがギターをアンプに繋いで、音量を最大にして、ガガーン!と耳元でリフを弾いた。クルーは飛び起きて、パニックしながら「襲撃だ!攻撃だ! Assault! Attack!」と叫んでいたよ。その様子があまりに面白くて、印象に残っていたんだ。それからちょっと後のことで、新曲のタイトルを考えなければならなかった。コーラスは「Why did you want me?」というものだったけど、そんなタイトルだとクサいラヴ・ソングみたいだろ?それで思いつきで「“アサルト・アタック”はどう?」と提案したら、それが通ってしまった(苦笑)。しかも俺がいない間に、アルバム・タイトルにまでなってしまったんだ。“アサルト・アタック”は2つの似た表現を並べたものだった。別にそういうフレーズが英語で使われているわけじゃないよ。

──ちなみに「アサルト・アタック」のコーラスの歌詞を教えて下さい。

グラハム・ボネット:1回目が「Why don't you want me / you can, I know / Why love me then go?」で2回目が「Why did you want me / you did, I know」だよ。あまり独創的な歌詞ではないけど、曲とフィットしているんじゃないかな?

──レコード/CDの日本盤の歌詞カードには日本で独自に聴き取りをしたものもあって、ヒアリングが間違っていることがあるんですよね。

グラハム・ボネット:知っているよ。想像もつかない独創的な歌詞になっていて、笑ってしまうこともある。「ザ・ウィッチウッド」(『デンジャラス・ゲームス』収録)なんて本来の歌詞とはまったく異なるものになっていて、アヴァンギャルドですらあった。いつか、ちゃんとしたオフィシャル歌詞集とか出してもいいかもね。

ジミー・ワルドー:それは歌詞だけでなく、ネットで自分たちの曲のコード進行をチェックしたりすると、まるで違っていることがあるよね。自分が書いた曲でも、楽譜にしたりしていないから、後になってネットをチェックしたりするんだ。俺の友達でプロの採譜師がいるけど、彼ですら100%正確に聴き取ることは難しいよ。

──ちなみにスティーヴ・ヴァイは元々フランク・ザッパの採譜担当者として起用されたそうですね。

ジミー・ワルドー:うん、その通りだ。採譜師とギタリストというのは共通する部分もあるけど、2つの異なった能力なんだ。それを兼ね備えたスティーヴは本当に凄いよ。

──ところで2016年に刊行される予定だったオフィシャル・バイオグラフィ本『Graham Bonnet: The Story Behind The Shades』(スティーヴ・ライト著)はどうなったのですか?

グラハム・ボネット:知らない。俺が教えて欲しいよ。もう10年ぐらい前から企画が進んでいるんだ。ベス=アミと知り合う前からだよ。ただでも作業が遅いのに、最新情報を加えようとするから、いつになっても完成しないんだ。俺だってプロのミュージシャンなんだから、いつも何かしている。今だって自分のバンドで日本に来ているんだ。それをひとつひとつアップデートしていたら、俺が死ぬまで本が出ないんだよ。どこからキリを付けて、本を出さなきゃね。それに加えて出版社とも揉めたみたいだし、いつになったら出るのやら…早く出して欲しいね。グラハム・ボネットという奴が何者なのか、読んでみたいから(笑)。

取材・文:山崎智之
Photos by Mikio Ariga

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最終更新:6/1(木) 12:08
BARKS