ここから本文です

日欧EPA 7月大枠合意視野 農業分野大詰め 乳製品、豚肉が焦点

6/1(木) 7:02配信

日本農業新聞

 日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)交渉で、両政府は7月上旬に大枠合意する方向で調整していることが31日分かった。これまでの事務レベル協議で27分野のうち20以上が事実上決着。残る論点は、農産品関税を含む市場アクセス(参入)に絞られつつあり、両首脳による政治決断で難航分野を打開したい考え。ただ、交渉内容の情報はほとんど開示されておらず、生産現場への影響は計り知れない。急転直下の展開に農業関係者の不安は大きい。

 複数の政府関係者が明らかにした。政府は7月7、8日にドイツ・ハンブルクで開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせて日欧の首脳が会談し、大枠合意する道筋を描く。それに向けて6月に首席交渉官会合を開く。

 農業分野の協議も進んでいる。焦点は乳製品や豚肉、木材などで、農業現場には品質が高くブランド力がある欧州産農産物への警戒感が強い。だが、政府内には「環太平洋連携協定(TPP)並みの合意なら問題ない」と楽観する見方が支配的になっている。

 一方で、欧州側はチーズをはじめとする乳製品でTPPを超える市場開放を要求。TPPで日本が国産への影響を避けるために関税を維持したモッツァレラやカマンベール、プロセスチーズといった品目でも譲歩を迫られる可能性がある。

 だが、TPPや発効済みの日豪EPAでは、より有利な条件を与える他の協定が発効する場合には「同等の待遇を与える観点から見直す」と定めている。仮に、日EU交渉の結果、これら既存の協定内容を超える譲歩をすれば、見直しは避けられず影響が拡大する恐れが大きい。また、一部でもTPPを超える内容が含まれていれば、米国が日本に2国間の自由貿易協定(FTA)交渉を迫るための口実を与えかねない。

 5月の主要7カ国(G7)首脳会議の際に行われた、安倍晋三首相とトゥスクEU大統領、ユンケル欧州委員長との会談では「大枠合意は手の届くところまで来ており、双方が政治的指導力を発揮する段階に来ている」との認識で一致していた。

1/2ページ

最終更新:6/1(木) 7:02
日本農業新聞